近藤隆夫

第135回 「PRIDE男」小路晃、第2の人生に幸あれ!

 2ラウンドに入ると三崎和雄は、無礼な遠慮をすることなくパンチで一気に攻め立て、相手を防戦一方に追い込む。見かねたレフェリーが試合をストップ。その瞬間、かつて「PRIDE男」と呼ばれた小路晃の現役生活に幕が下ろされた。  4月22日、後楽園ホール『DEEP 53 IMPACT』。満員の会場でファンに見守られ引退セレモニーを終えた小路晃は穏やかな表情をしていた。 「ありがとうございました。ここまで闘えてこられて、その上、こんな引退セレモニーまでやってもらえて本当に感謝しています」

第134回 川尻達也、青木真也、高谷裕之の新天地を求める闘いに期待!

 4月に入ったが、「K-1」「DREAM」「SRC」といった日本のメジャー格闘技団体の今年の年間大会開催スケジュールが、まだ発表されていない。次回大会の開催も決まっておらず、ファンは待ち疲れ、選手たちは不安な気持ちで日々を過ごしている。

第133回 衝撃のTKO負け……ヒョードルが輝きを失った理由

 エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)の敗北は衝撃的だった。  2月12日(現地時間)、米国ニュージャージー州のアイゾッド・センターで開かれたStrike Force「ヘビー級GPトーナメント」1回戦、アントニオ・シウバ(ブラジル)と対戦したヒョードルは、かつての輝きをすでに失っていた。

第132回 ヒョードル、アリスター、ファブリシオが参戦! 「ヘビー級GPトーナメント」は見逃せない!

 4月23日に有明コロシアムで開かれる予定だった「SRC17」を中止すると、突然、主催団体のワールドビクトリーロードが発表した。今後の団体の存続も危うい状況にあるらしい。「DREAM」も(2月3日の時点で)、次回大会の開催を決められずにいる。それはK-1も然りだ。日本のメジャー格闘技団体に元気がない。

第131回 勝負度胸で青木を上回った自演乙 〜12・31『Dynamite!!』を観た後で〜

 ジェロム・レ・バンナに判定勝ちし、また一歩前進した石井慧だが、観る側に強烈なインパクトを残すことはできなかった。吉田秀彦のように短期間では階段を駆け上がれない。トップクラスに割って入るには、まだ時間がかかるのだろう。

第130回 自らを追いつめた潔き男、近藤有己に期待 〜12・5『パンクラスism主催興行』展望〜

 12月に入り、大晦日が近づいているが、『Dynamite!!』の対戦カードは、まだ1カード(高谷裕之×ビビアーノ・フェルナンデス)しか発表されていない。昨年の今頃には、魔裟斗の引退試合と、吉田秀彦×石井慧戦が決まっていたのだが、今年は(12月2日の時点で)目立った発表もない。選手が準備のできた状態で闘うためにも、また観る側の関心を高めるためにも、せめてメインカードだけでも、もっと早く決めて提示すべきだと思う。

第129回 大晦日、「石井慧×アリスター・オーフレイム」を望む!

 長く暑い夏が、ようやく終わったと思ったら、一気に肌寒くなった。季節外れの台風が去り、北では雪が舞う。もう冬にさしかかっている。  2010年も残り60日を切り、「格闘技の日」大晦日が近づく。『Dynamite!!』(さいたまスーパーアリーナ)の例年通りの開催が発表された。加えて、昨年は『Dynamite!!』に参戦したSRCが独自に大会を開くことを先に発表している。イベントタイトルは、『戦極 Soul of Fight』で、日時は大晦日ではなく、その前日の12月30日、場所は有明コロシアムだ。

第128回 石井慧に感じる物足りなさ

 この9カ月間に、総合格闘家として成長を遂げていることは見てとれた。判定決着ながら内容的に完勝だった。それでも彼に対する期待が大きいからだろうか、何処か物足りなさを感じてしまう。『DREAM.16(9月25日、名古屋・日本ガイシホール)』でミノワマンに勝利した石井慧のことである。

第127回 SRC史上最高の名勝負 ジョルジ・サンチアゴ×三崎和雄

 あれから、もう1週間以上が過ぎたというのに、思い出すと、いまも手に汗を握る。闘う両者が気持ちの熱さを観る者に伝えきった名勝負だった。  8月22日、両国国技館で開催された『SRC14』のメインイベント、ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル)×三崎和雄戦のことである。

第126回 五味隆典と「木口式サーキット・トレーニング」

 初代PRIDEライト(73?以下)級王者の五味隆典が、崖っぷち、いや金網際で踏みとどまった。  8月1日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンディエゴのスポーツアリーナで開催された『UFC on Versus: JONES vs. MATYUSHENKO』でタイソン・グリフィン(米国)に64秒KO勝ちを収めたのだ。五味は、かつて70キロ台前半のクラスで 「世界最強」と称された選手である。

第125回 「ヒョードルの敗北」と「青木の再起戦」

 エメリーヤエンコ・ヒョードル(ロシア)が敗れた。  6月26日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンノゼのHPパビリオンで開かれた『Strike Force』で柔術家ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)に試合開始から僅か69秒、三角絞めを決められ、タップを余儀なくされたのである。

第124回 「グレイシー第3世代」ハレックへの期待

「サクラバのパンチは思っていた以上に強かったよ。ちょっと驚いたね。でもプラン通りの闘いはできた。いまの自分の力を十分に出せたよ」  5月29日、さいたまスーパーアリーナで開催された『DREAM.14』で桜庭和志と対戦、3−0の判定勝利を収めた後、ハレック・グレイシーは晴れやかな表情で、そう話していた。はにかみを含んだ笑顔は7年前と変わっていなかった。

第123回 6・26ヒョードル×ファブリシオ戦への期待

『UFC』で五味隆典が敗れ、『Strike Force(ストライクフォース)』では青木真也が散った。吉田秀彦は引退し、柔道界へと戻っていく。総合格闘技に明るい話題が見当たらない……と思っていたところに、興味を引くニュースが飛び込んできた。“皇帝”エメリーヤエンコ・ヒョードル(ロシア)が来月、試合を行なうことが決まったのだ。

第122回 視聴率22.1%、観衆1900人……このギャップは? 〜3・27亀田興毅×ポンサクレック戦を観た後で〜

 亀田興毅がポンサクレック・ウォンジョンカムに完敗を喫したWBC世界フライ級タイトルマッチを観た後、時間を置いてから考え込んでしまった。  それは、試合内容のことでも、5ラウンドのバッティングのことでも、試合後に興毅の父・亀田史郎がまた騒ぎを起こしたことでもない。

第121回 K-1MAXのこれから

「あれでよかったんですかねぇ。僕はドラマの最終回を見せられているような気分になりましたよ。K-1MAXの最終回を」  もう20年以上の付き合いになる元キックボクサーが、そう言った。私も、同じことを感じていた。  昨年の大晦日、さいたまスーパーアリーナで開かれた『Dynamite!!』のメインエベント、魔裟斗は宿敵アンディ・サワーに完勝し、笑顔でリングを去っていった。観衆は魔裟斗に声援を送り続けていたが、私は複雑な気持ちだった。

第120回 亀田はもう一度、内藤と闘うべきである!

「オレの中では終わったこと。興味はない」  亀田興毅は、そう話したそうだ。  1月29日、引退がささやかれていた内藤大助が現役続行を宣言。11月に判定で敗れ、王座を奪われた相手、亀田興毅と再戦したいと口にし、ジムワークを再開した。「このままでは終われない」との思いが、内藤には強くあるのだろう。だが、再戦要求に対して、亀田の態度は冷やかだった。

第119回 前途多難、深刻な石井慧の躓き

 昨年の大晦日、さいたまスーパーアリーナで吉田秀彦×石井慧戦を見終えて、私は複雑な気持ちになった。  最終3ラウンドのゴングが打ち鳴らされた瞬間は、正直なところホッとした。それは、心の中で「吉田、逃げ切れ!」と願っていたからだ。吉田への思い入れは強くある。柔道界から総合格闘技界へ進出したパイオニアが、ルーキーに敗れる姿は見たくなかった。

第118回 吉田秀彦vs.石井慧……勝つのはどっちだ!?

「えっ? 石井と闘うんですか? それは戦極の時に決まっていたことで、僕も誰とやるのか聞いていません」  吉田秀彦が、マイクを通してそう話すと、会見場に緊張感が漂った。  11月25日、都内ホテルで開かれた記者会見。この場で、『戦極(SRC)』の『Dynamite!!』参戦が発表されたわけだが、同席した吉田の表情は終始険しかった。

第117回 『大晦日、格闘技名勝負』を選びながら……

「意義とレベルの高さでは、ヒョードル×ノゲイラ戦(2004年)でしょう」 「緊迫感では、吉田×小川戦(2005年)だと思いますね」 「お茶の間に強いインパクトを残したのは、やっぱりサップ×曙戦(2003年)じゃないですか?」 「安田がバンナを破った試合(2001年)も良かったし、魔裟斗×KID(山本徳郁)戦(2004年)もドキドキしましたね」  さまざまな意見が出た。先日、ある雑誌の企画で『大晦日、格闘技名勝負20』の選考に加わった時のことである。

第116回 「リング」から「ケージ」へ 〜10・25大阪城ホール「DREAM12」への期待〜

「Stop! Don’t move. Center!」  リング上でレフェリーが、そう声を発する時、私はいまも違和感を覚える。もう10年以上も耳にしているフレーズなのだが、そのやり方が、どうもしっくりとこない。  グラウンドでの攻防がもつれ、闘っている選手が、ロープ、あるいはコーナーに接する。時に、ロープを越えてリング下に落ちそうにもなる。そこでレフェリーが一度、試合を止め、両者をリング中央に戻し、同じ体勢から試合を再開させる。かつての『PRIDE』『HERO’S』、そして現在の『DREAM』のリングでも見慣れた光景だ。

第114回 石井慧のデビュー戦の相手は、本当に吉田秀彦なのか?

 見応え十分な大会だった。  8月2日、さいたまスーパーアリーナで開かれた『戦極〜第九陣〜』のことである。5時間を超す長いイベントだったが、観る者に時間が経つのを忘れさせる熱いファイトが続いた。過去9回の大会を振り返っても、今回がベストな内容だったように思う。

第113回 魔裟斗×川尻達也戦、私の予想は…… 〜7.13日本武道館『K−1MAX 2009』の展望〜

「川尻が勝っちゃうんじゃないですか。勢いがありますよね。川尻は(K−1)MAXにはいないタイプですから、魔裟斗は闘いにくいでしょ。勢いのある川尻が勝つと思うなぁ」  驚くことに私の周囲のほとんどの人が、そんな風に話し、川尻の勝利を予想している。7月13日、日本武道館で開かれる『K−1 WORLD MAX 2009 World Championship Tournament FINAL8』でスーパーファイトとして行なわれる魔裟斗(シルバーウルフ)×川尻達也(T-BLOOD)の話だ。

第111回 カンセコ参戦……その裏側にある狙い 〜5・26横浜アリーナ『DREAM9』展望〜

 ホセ・カンセコ……懐かしさを感じる名前であり、同時にメジャーリーグ好きなら誰もが知っているビッグネームだ。白、黄、緑を基調としたオークランド・アスレチックスのユニフォームが、よく似合っていた。改めて球歴を記す必要もないだろう。偉大な元メジャーリーガーである。そんなカンセコが『DREAM9』に参戦すると聞いた時、最初は驚いたが数秒後に、「なるほど」とも思った。

Back to TOP TOP