野球

第42回 高知・藤城和明「選手へ、ファンへ、ありがとう!」

「監督の私はどうなっても構いません。明日を夢見る若者たちをどうか救ってやってください」  9月30日、松山・坊っちゃんスタジアムでの最終戦。僕はファンのみなさんの前で、こんな挨拶をさせてもらいました。そのとき、高知は経営難で球団消滅の危機に直面していたのです。

第257回 「打てそうで打てない」ダルビッシュ

 日本シリーズ初戦で北海道日本ハムのダルビッシュ有が中日からシリーズ最多タイの13三振を奪った。先発全員からの奪三振はシリーズ初という快挙。  私が注目したのは13奪三振の内訳。このうちの12個が空振りで、見逃しは、わずかにひとつ。  これは何を意味しているのか。ダルビッシュのボールは「打てそうで打てないボール」ということである。

あるベンチの光景

 それは、滋味あふれる光景であった。場所は札幌ドームの3塁側ベンチ(この球場は3塁側がホームチームなんだそうですね)。  ベンチに深々と座った北海道日本ハムの平野謙コーチが、まだ試合中だというのに満面の笑みを浮かべて何やら話している。左腕を相手の肩にまわして、抱きかかえるようにして。  肩を抱かれているのはダルビッシュ有である。平野コーチは、天井を向いたり、何やら指さしたりしながら、実に表情豊かに話し続ける。ダルビッシュは、うん、うん、と何度もうなづく。平野コーチは、ついには歯をむき出して大笑いした――。

第102回 レッドソックスに黄金時代到来か

 10月29日、デンバー国際空港でのこと――。  ワールドシリーズの取材を前日に終えた筆者は、コロラドからニューヨークへのフライトを待っていた。すると背後から、レッドソックスファンの男性の電話口での話し声が聴こえて来た。 「第4戦の9回裏には、まだ何か悪いことが起こるんじゃないかと気が気じゃなかったよ。レッドソックスファンの悲しい性だ。だけど、何もないまま試合は終わった。どうやらこのチームは変わったようだね……」

第256回 「メジャーリーグ復帰」の可能性はある! ベネズエラ・野茂英雄

 メジャーリーグのポストシーズンゲームにおいて、日本人初の勝利投手となり、ワールドシリーズ出場を決めたレッドソックスの松坂大輔がこう語った。 「野茂さんの試合結果はネットで確認しました。すべてがすごい。僕なんてまだまだ及びませんよ」

石川、5点差守れず逆転負け 〜グランドチャンピオンシップ〜

 独立リーグ王者を決定する「日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ」第3戦が27日、香川・サーパススタジアムで行われた。勝ったほうが王手をかける重要な一戦は石川ミリオンスターズが序盤に6点をあげて優位に立つ。ところが中盤、香川オリーブガイナーズに追い上げられ、5回に若林春樹の逆転3ランを許して、6−7で敗れた。石川は28日の第4戦で負けると、チャンピオンシップ敗退が決まる。

第34回 4番の活躍なくして日本一はなし!

 クライマックスシリーズが終了し、いよいよ27日からは日本シリーズが開幕します。パ・リーグからは球団史上初の2年連続リーグ優勝を果たした北海道日本ハム。そして、セ・リーグはレギュラーシーズン2位ながらもクライマックスシリーズで第1ステージ、第2ステージともに全勝と短期決戦での強さを見せた中日。奇しくも、昨年と同じ対戦カードとなりました。

第255回 ヤクルト高田新監督はGMへのつなぎか?

 北海道日本ハムのGM・高田繁氏の東京ヤクルト監督就任が決定的になった。現場の指揮を執るのは20年ぶりだ。  思い出すのが故根本陸夫氏の例だ。根本氏は西武の実質的なGMとして黄金期を築き上げた。その根本氏が福岡ダイエー(現福岡ソフトバンク)の監督に就任した時には驚いた。

第12回 新潟・根鈴雄次プレーイングコーチ「戦力外で生まれる新たなチャンス」

 北信越BCリーグは17日でレギュラーシーズンの全日程が終了しました。新潟アルビレックスBCの初年度の成績は18勝52敗2分。残念ながら大きく負け越し、最下位となってしまいました。  本格的に始動した3月31日から約6カ月半、選手たちはよく頑張ったと思います。これまでにない程の努力をした選手も少なくないでしょう。実際、開幕当初から比べれば、技術的にもレベルアップしていることは間違いありません。

石川、ホームで王手ならず1勝1敗のタイに 〜グランドチャンピオンシップ〜

 独立リーグ王者を決定する「日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ」第2戦が21日、石川県立野球場で行われた。初戦を制した北信越BCリーグチャンピオンの石川ミリオンスターズは初回から四国アイランドリーグチャンピオン・香川オリーブガイナーズの猛攻を受ける。堂上隼人の2ランで先制されると、2回までに計7点を失い、3−12で敗れた。対戦成績は1勝1敗で、第3戦は香川に舞台を移し、27日(土)に行われる。

石川、エース蛇澤の好投で先勝 〜グランドチャンピオンシップ〜

 独立リーグ王者を決定する「日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ」が20日、石川県立野球場で開幕した。第1戦は北信越BCリーグチャンピオンの石川ミリオンスターズ先発・蛇澤敦と四国アイランドリーグチャンピオンの香川オリーブガイナーズ先発・塚本浩二の投手戦となった。石川は6回、松岡慎弥の2点タイムリーで先制すると、蛇澤が8回1失点に抑える好投。2−1で初戦を制した。

第101回 松坂の1年目は「失敗」ではない

 レッドソックスにとって重要な意味を持った10月15日のリーグ優勝決定シリーズ第3戦で、松坂大輔はまたも期待に応えられなかった。  波に乗るインディアンス打線をかわしきれず、4回2/3を投げて4失点。地区シリーズのエンジェルズ戦に続き、これで2試合連続で5回を持たずに降板したことになる。そしてこのコラムを書いている時点(現地時間17日)で、レッドソックスは1勝3敗でシリーズに王手をかけられてしまった。このままいけば、15日の煮え切らない投球が今季の松坂の最後の登板となる可能性が高い。   獲得に1億ドル以上(約120億円)を費やされながら、プレーオフでは好投できずじまい。ここまでは温かく見守ってきたボストンの熱狂的なファンも、もしこのままシリーズに敗れた場合には、期待を裏切った高額輸入品への風当たりを強めるに違いない。

第254回  “赤ヘル”一筋の偉大なピッチャーだった 広島・佐々岡真司

 それはひとつの時代の終わりを告げる象徴的なシーンだった。  さる10月7日、本拠地・神宮球場で東京ヤクルトの古田敦也兼任監督が現役に別れを告げた。試合後、古田は、まるで優勝監督のように5度も宙を舞った。  対戦相手の広島マーティ・ブラウン監督は、古田の最後の打席で、粋な演出をした。同期入団で、同じく今季限りでユニホームを脱ぐ佐々岡真司をマウンドに送ったのだ。

第41回 香川・加藤博人「サブマリン・塚本は渡辺俊介2世?」

 愛媛と年間王者を争ったリーグチャンピオンシップは2連勝。前後期連覇のアドバンテージ(1勝分)を加えて、一気に地元で優勝を決めることができました。初戦の、2戦目のと両先発が大一番に合わせて、きっちり調整し、ゲームをつくってくれました。

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