第508回 スカウトには権謀術数も必要な能力

 失敗もあれば成功もある。後悔もあれば自慢もある。プロ野球のスカウトの仕事は、単に選手の品定めだけにとどまらない。いざドラフト指名となると選手や家族、関係者と接触し、交渉もすれば根回しもする。時によっては敵を欺き、味方すら煙に巻く。権謀術数もスカウトには必要な能力のひとつだ。

夢の時間、再び 田臥勇太

 日本バスケットボールリーグ(JBL)の5年目のシーズンが開幕した。9月のアジア選手権では男子日本代表がロンドン五輪の切符を獲得できなかった。30年以上、五輪から遠ざかっている男子バスケット界を強化するためには、bjリーグを含めた国内リーグの活性化が必要不可欠である。  そこで期待がかかるのが、NBAのコートを経験した田臥勇太だ。08-09シーズンからJBLのリンク栃木に加入し、その翌シーズンにはチームを初優勝に導いた。今シーズンも司令塔としてチームを牽引する。  日本バスケット界の“顔”である田臥が感じた本場・米国との違いを、2年前の原稿で振り返ろう。

第460回 日本人望む「4番」像を体現できるか オリックス・T−岡田外野手

 メジャーリーグにおける最高のヒーロー、ベーブ・ルースが主に3番打者だったこともあり、米国野球で「4番最強論」を唱える向きは少ない。  今季、アスレチックスでプレーした松井秀喜がヤンキースの4番に初めて座った時、日本のメディアは大騒ぎしたが、ニューヨークのメディアは“無風”だった。

第505回 落合劇場にも第二幕あるはず

 不可解な監督解任劇はメジャーリーグにおいても珍しいことではない。たとえば1970年代最強のチームと呼ばれたレッズの名将スパーキー・アンダーソンは78年オフ、日米野球から帰国直後、突如、解任された。スパーキーが来日している間にクーデターは水面下で着々と進行していたのだ。  二人三脚でチームを強くした信頼できるパートナーだったディック・ワグナーから直々に「クビ」を通告された時のショックは察して余りある。「ブルータス、お前もか!」という心境ではなかったか。

第459回 「盗塁王」の心配

 女子W杯で世界一になった「なでしこジャパン」の面々が国民栄誉賞を受賞するにあたり、「断った人」として、今頃になって脚光を浴びたのが盗塁で一世を風靡した元阪急の福本豊である。  通算盗塁数の「世界記録」は1993年にリッキー・ヘンダーソンによって破られたが、通算1065盗塁は日本においてはアンタッチャブル・レコードである。

「伝統」と「改革」は対立しない!<後編>

 ところが現在の日本相撲協会は、いくら客足が遠のいても何も打たず、ひたすら前例を踏襲するのが「伝統を守る」ことだと勘違いしている。そして、「これまで潰れなかったのだから今後も潰れない」と根拠のない信仰にすがっているのだ。

第458回 充電を経て「WBC代表監督」説も 北海道日本ハム・梨田昌孝監督

「キャッチャーは現場の指揮官」。ノムさんこと野村克也の口ぐせである。ノムさん流に言えば、キャッチャーは現役時代から監督の見習いをやっているようなものだ。  キャッチャーの仕事はピッチャーをリードするばかりでなく、守りのフォーメーションを指示し、バッターの狙い球を読み、相手ベンチの出方を探る――。まさに「現場の指揮官」である。

第503回 おかわり、“満腹知らず”のHR占有率

 低反発の統一球の導入により、今季のプロ野球はホームラン数が激減している。球界全体で前年比マイナス約40%。巨人に至っては前年比マイナス約53%だ。  バットの先っぽでもフェンスオーバーする昨季までの“ホームラン・バブル”には閉口するしかなかった。しかし、いきなり前年比マイナス40%というのはNPB幹部も想定外だったのではないか。

第457回 “捕手は守備”といわれるが、ホームランバッター人気は“永遠の真理”

「キャッチャーは打てなくてもいい。守りさえしっかりできればいい」  プロ野球の世界では、しばしば、そんなセリフを耳にする。 「それは間違っています」  はっきりとそう口にしたのが広島などで20年間に渡ってマスクを被った西山秀二だ。

「伝統」と「改革」は対立しない!<前編>

 近年、大相撲の人気低迷が顕著だ。現在開催中の九月場所2日目に、1985年以降の東京場所としては過去ワーストとなる5682枚のチケットが売れ残った。会場の両国国技館の収容人数は約1万1000人。つまり半分以上の席が埋まらなかったことになる。相次ぐ不祥事に加え、人気力士の不在が大きく影響したのだ。伝統に頼るばかりでは、前進はない。窮地に追い込まれた今、大相撲は改革の時を迎えている。  そこで7年前の原稿を振り返り、大相撲が歩むべき道を探ってみよう。

第502回 スポーツに「永遠の法則」は存在しない

 PK戦になると、やにわに姿を消すサッカーの監督には驚いたが、自軍の試合を一切見ない野球のGMがいると知った時の衝撃はそれ以上だった。  その理由が振るっていた。 「自軍のプレーを生で見てしまったら、つい頭に血がのぼって、野球科学を忘れてしまいかねない」。その男にとって野球は「フィールド・オブ・ドリームズ」のような感傷的なものではなく、すぐれて確率的かつ計略的なものなのだ。

第456回 来季ドラフトまでどれだけデカくなるか 亜細亜大・東浜巨投手

 まだ3年生ながら、松沼雅之(東洋大−西武)が保持していた通算15完封の東都大学野球リーグ記録に並んだ。来シーズンオフのプロ野球ドラフト会議の超目玉だろう。  亜大の東浜巨は9月4日、日大相手に7安打シャットアウト勝ちし、通算23勝目を挙げた。無四球、三塁を踏ませない内容ながら「最悪でした。納得のいかない15個目になってしまった」「体が突っ込んで、切れもなくて何ひとついいところがなかった」と言うのだから、本当の実力はこんなものじゃないということだ。

第501回 世界を仕留める「ヒットマッスル」

 主に広背筋のことをボクシングの世界では「ヒットマッスル」と呼ぶ。パンチ力の源とされている。 「ヒットマン」の異名を取ったトーマス・ハーンズ(米国・元5階級王者)にインタビューしたのは、今から21年前のことだ。胸板は薄かったが、脇から背中にかけての筋肉の盛り上がりは尋常ではなかった。

第455回 スカウトの夏

 SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)を武器とする歳内宏明(聖光学院)。152キロの快速球を誇る釜田佳直(金沢)、四国ナンバーワンの左の強打者・北川倫太郎(明徳義塾)、投打ともに今大会屈指の実力を持つ白根尚貴(開星)など、今夏の甲子園も逸材が目白押しだ。

向井ジャパン、善戦の功罪

 ラグビーW杯ニュージーランド大会の開幕が目前に迫ってきている。ジョン・カーワンヘッドコーチが率いる日本代表の目標は過去最高の2勝をあげることだ。だが、1991年イングランド大会でW杯初勝利をあげて以降、白星のない日本には、大きな壁が立ち塞がる。1次リーグで対戦するのは、ニュージーランド(IRBランキング1位)、フランス(同4位)など強豪揃い。しかし、2019年にW杯自国開催を控える日本にとって、今大会での躍進は不可欠だ。課された命題は善戦ではない。そこで日本ラグビーが目指すべき道を、10年前の原稿で辿り、再考しよう。

第500回 克服すべき「義足ランナー」への好奇の目

 熱戦が続く韓国・大邱での陸上世界選手権。ファイナルに進出できなかったものの、男子400メートルに出場した義足ランナー、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)には大きな拍手が送られた。  周知のようにピストリウスは先天性の身体障害により、生後11カ月で両足のヒザから下を切断する手術を受けた。彼のアスリート生活を支えているのは炭素繊維製の競技用義足。ブレードランナーの異名をとる所以だ。

第454回 CS狙える戦力底上げに貢献した眼力 広島・エリック・シュールストロム駐米スカウト

 開幕前には下馬評の低かったカープが、曲がりなりにもクライマックスシリーズ進出争いに加わっていられるのは、青い目のスカウトのおかげだろう。  エリック・シュールストロム。カープファンでも、その存在を知る者は少ない。辣腕の駐米スカウトだ。

第499回 少年少女よ「小石」にスポーツを学べ

 外で遊ぶ子供が減っているという報告がある。確かに昨今、相撲をとるどころかキャッチボールをする子供にも、とんとお目にかかれなくなった。「三丁目の夕日」の世界は遠のくばかりだ。  そもそも「SPORT」の語源は気晴らしや楽しみ、遊びである。電車の中で携帯電話やゲームに没頭している子供を見ると、「もっと体を動かそうよ」とつい、お節介を焼きたくなる。

ベテランの気概 木村和司

“ミスターマリノス”が、名門復活へ着実に成果をあげつつある。Jリーグの横浜F・マリノスで指揮を執る木村和司は、現役時代、司令塔として活躍し、“ミスターマリノス”と呼ばれた名プレーヤーだ。FKの名手として知られ、日本代表で歴代5位の26得点をあげた。94年に現役を引退、サッカー解説者などを経て、昨年、低迷する古巣マリノスの監督に就任した。2年目の今季は首位の名古屋に勝ち点差3の4位(8月19日現在)につけ、7季ぶりの優勝を目指す。  日本サッカーの低迷期を支えた木村のプロフェッショナリズムを、Jリーグが誕生する前年の原稿で振り返ろう。

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