第460回 日本人望む「4番」像を体現できるか オリックス・T−岡田外野手

 メジャーリーグにおける最高のヒーロー、ベーブ・ルースが主に3番打者だったこともあり、米国野球で「4番最強論」を唱える向きは少ない。  今季、アスレチックスでプレーした松井秀喜がヤンキースの4番に初めて座った時、日本のメディアは大騒ぎしたが、ニューヨークのメディアは“無風”だった。

第459回 「盗塁王」の心配

 女子W杯で世界一になった「なでしこジャパン」の面々が国民栄誉賞を受賞するにあたり、「断った人」として、今頃になって脚光を浴びたのが盗塁で一世を風靡した元阪急の福本豊である。  通算盗塁数の「世界記録」は1993年にリッキー・ヘンダーソンによって破られたが、通算1065盗塁は日本においてはアンタッチャブル・レコードである。

第458回 充電を経て「WBC代表監督」説も 北海道日本ハム・梨田昌孝監督

「キャッチャーは現場の指揮官」。ノムさんこと野村克也の口ぐせである。ノムさん流に言えば、キャッチャーは現役時代から監督の見習いをやっているようなものだ。  キャッチャーの仕事はピッチャーをリードするばかりでなく、守りのフォーメーションを指示し、バッターの狙い球を読み、相手ベンチの出方を探る――。まさに「現場の指揮官」である。

第457回 “捕手は守備”といわれるが、ホームランバッター人気は“永遠の真理”

「キャッチャーは打てなくてもいい。守りさえしっかりできればいい」  プロ野球の世界では、しばしば、そんなセリフを耳にする。 「それは間違っています」  はっきりとそう口にしたのが広島などで20年間に渡ってマスクを被った西山秀二だ。

第456回 来季ドラフトまでどれだけデカくなるか 亜細亜大・東浜巨投手

 まだ3年生ながら、松沼雅之(東洋大−西武)が保持していた通算15完封の東都大学野球リーグ記録に並んだ。来シーズンオフのプロ野球ドラフト会議の超目玉だろう。  亜大の東浜巨は9月4日、日大相手に7安打シャットアウト勝ちし、通算23勝目を挙げた。無四球、三塁を踏ませない内容ながら「最悪でした。納得のいかない15個目になってしまった」「体が突っ込んで、切れもなくて何ひとついいところがなかった」と言うのだから、本当の実力はこんなものじゃないということだ。

第455回 スカウトの夏

 SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)を武器とする歳内宏明(聖光学院)。152キロの快速球を誇る釜田佳直(金沢)、四国ナンバーワンの左の強打者・北川倫太郎(明徳義塾)、投打ともに今大会屈指の実力を持つ白根尚貴(開星)など、今夏の甲子園も逸材が目白押しだ。

第454回 CS狙える戦力底上げに貢献した眼力 広島・エリック・シュールストロム駐米スカウト

 開幕前には下馬評の低かったカープが、曲がりなりにもクライマックスシリーズ進出争いに加わっていられるのは、青い目のスカウトのおかげだろう。  エリック・シュールストロム。カープファンでも、その存在を知る者は少ない。辣腕の駐米スカウトだ。

第452回 沢村栄治と笹崎僙――球界と拳闘界のスターの戦時下の振る舞い

 戦時下、スポーツ選手は何を考え、どう振る舞っていたのか。  それを取材しているうちに、文藝春秋の編集者から興味深い資料を提供してもらった。  タイトルは<帰還二勇士 戦争とスポーツを語る>。これは『オール読物』の1940年9月号に掲載されたものだ。 「帰還二勇士」とは当時、巨人のエースだった沢村栄治と「槍の笹崎」の異名をとったプロボクシング界のヒーロー笹崎僙のことだ。

第450回 「飛ばないボール」は攻略できるか!?

 中日やロッテなどで主にクローザーとして活躍し、横浜の監督も務めた牛島和彦から、かつてこんな話を聞いたことがある。彼がロッテ時代の出来事。 「南海戦で打者は門田博光さん。僕のフォークボールを読んだ門田さん、いきなり歩き出し、落ちる前を狙い打った。結果はホームラン。これにはびっくりしました」  フォークボールの落ち際をとらえるのは至難の業だ。だったら、落ちる前にしばき上げよう――。門田は、そう考えたのである。驚異的なスイングスピードが、劇画のようなシーンを可能にしたのであろう。

第449回 元・名選手に偏る監督人事に一石 ヤクルト・小川淳司監督

 かつて沢村賞はセ・リーグのピッチャーのみに与えられた。賞に名をとどめる沢村栄治が巨人の所属選手だったからだ。  パ・リーグのピッチャーでも受賞できるようになったのは89年からだ。今季の開幕前、東北楽天の田中将大が「沢村賞を目指す」と公言したのは記憶に新しい。  ところが、こちらの賞は今でもセパで一致を見ていない。  パの監督に贈られる最高の賞が「優勝監督賞」であるのに対し、セは「最優秀監督賞」なのだ。

第443回 深刻な貧打の一因の「高い買い物」 広島・チャッド・トレーシー外野手

“身の丈経営”をモットーとする広島カープが総額約1億円(推定)を投じて獲得した“大物助っ人”チャッド・トレーシーが出場選手登録から外れ、帰国した。 「股関節に痛みがあるようだ。状態もよくないし、本人と相談して決めた」と野村謙二郎監督。球団は「鼠径(そけい)部痛症候群」と発表したが、復帰の時期は未定だ。

第442回 闘将の黒衣

 今季から東北楽天の指揮を執る星野仙一には、かつて黒衣がいた。  その男の名前は島野育夫。中日、阪神で星野を支えた鬼軍曹的な名参謀だ。  現役時代は俊足、強肩の外野手として活躍し、ゴールデングラブ賞に3度、輝いている。73年には全試合出場を果たし、南海のリーグ優勝に貢献した。  07年12月、胃ガンのため世を去った。63歳だった。

第440回 最も日本プロ野球に影響を与えた外国人選手、ダリル・スペンサー

 プロ野球において、近年、外国人選手は1チーム4人まで一軍登録することができる。  しかしルール上、野手のみ4人、ピッチャーのみ4人というのは許されない。つまり、4人を同時に使おうと思えば野手3人とピッチャー1人、あるいは野手、ピッチャーとも2人といった具合にうまく振り分けなければならない。  外国人選手でも、FA権を取得すると外国人枠からはずれる。たとえば巨人のアレックス・ラミレスがそうだ。何だか変な話ではあるが……。

第438回 「魔球」操る男 北海道日本ハム・武田勝投手

「一度ヒューンと外に飛んでいって途中でガンと内側に食い込んでくるんです」  北海道日本ハムファイターズのサウスポー武田勝のスライダーを評して、目を丸くしながらそう語ったのは、巨人の坂本勇人である。今から3年前の話だ。まるで獲物に襲い掛かる猛禽のようなボールである。

第436回 「持っているユウちゃん」は一人じゃない 広島・福井優也投手

 デビュー戦の内容は早大の同級生・斎藤佑樹(北海道日本ハム)を上回っていた。  去る4月17日、地元での巨人戦で広島のドラフト1位ルーキー福井優也がプロ初登板を初勝利で飾った。同じ日、斎藤もプロ初勝利を挙げた。斎藤が5回4失点だったのに対し、福井は7回2失点。7三振を奪う力投だった。

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