第499回 少年少女よ「小石」にスポーツを学べ

 外で遊ぶ子供が減っているという報告がある。確かに昨今、相撲をとるどころかキャッチボールをする子供にも、とんとお目にかかれなくなった。「三丁目の夕日」の世界は遠のくばかりだ。  そもそも「SPORT」の語源は気晴らしや楽しみ、遊びである。電車の中で携帯電話やゲームに没頭している子供を見ると、「もっと体を動かそうよ」とつい、お節介を焼きたくなる。

第494回 なでしこが五輪招致活動の「顔」に

 乾坤一擲とは、こういうことを言うのだろう。1−2で迎えた延長後半12分だ。キャプテンマークを付けた澤穂希が宮間あやの左コーナーキックに飛び込んだ。ニアサイドの死角。右足のアウトに引っかけた。ボールはゴール前にいたアビー・ワンバックをかすめ、ゴールネットを揺らした。値千金の同点ゴール。その瞬間、隣近所から一斉に拍手が巻き起こった。時刻は朝の6時過ぎ。皆、息を潜めて、この瞬間を待っていたのだ。

第492回 王者・下田、「天才肌」から「天才」に

「言葉使いが全く変わった。入ってきた頃と比べると、別人みたいですよ」。最近、2人のスポーツ選手について、別の関係者から同じ感想を聞いた。ひとりがプロ野球、北海道日本ハムの若き主砲・中田翔。そして、もうひとりがこれから紹介するボクシングのWBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文である。

第491回 万死に値 ドジャースオーナーの球団私物化

 誰もがトップの座を降りて欲しいと願っているのだが、当の本人には全くその気がない。厚顔無恥。全く困った御仁である。  どこかの国の首相のことを言っているのではない。海の向こう、米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースのオーナー、フランク・マッコートのことである。

第488回 相撲協会の改革阻む「ごっつあん体質」

<私の場合、1500万円で買ったものが3億円で売れた。私はその金が借金の支払いに回るため、表に出してもよかったが、相手が金の出所を突かれたくないという事情もあって裏のままの取り引きにした>(『八百長 ―相撲協会一刀両断』)。自著で年寄名跡売買の実態について赤裸々に述べたのは今は亡き元大鳴戸親方(元関脇・高鉄山)である。当然、税務申告などしていないわけだから、この事案は紛うことなき「脱税」である。

第481回 中村よ好機で敬遠される“恐打者”となれ

「日本で一番高い山は富士山。では2番目に高い山は?」。この春、ある企業の社員研修に講師として呼ばれた。冒頭、営業部長が若い社員に問いかけた。答えが返ってこない。頃合いを見計らって部長は語気を強めた。「皆さん、あまりご存じないでしょう。実は北岳という山なんです。富士山が3776メートル、北岳が3193メートル。人々が記憶しているのは何でもナンバーワンだけ。そう、ナンバーツーじゃ意味がないんです」。妙に説得力があった。

第477回 “弱者に寄り添う気持ち”球界に必要

 大震災が起きた日、私は京都にいた。ボクシングの元OPBF東洋太平洋バンタム級王者・村田英次郎(現エディ・タウンゼントジム会長)を取材するためだ。大阪府高槻市のジムから最寄り駅まで車で村田に送ってもらい、そこから京都に出た。地震の発生を知ったのは京都駅のプラットホームだった。

第476回 プロ野球開幕延期やむを得ない

 東京ヤクルトのスカウト(東北・関東地区担当)八重樫幸雄は地震が発生した時、センバツに出場する東北高のグラウンドにいた。「もう立っていられなかった。踏ん張ろうにも踏ん張れない。練習はすぐ中止になりました。あいにく雪も降り始めた」。 母校・仙台商高の先輩の車中で2晩過ごした。「(地震発生から)2日間は携帯も全くつながらない。やっと3日目、家族と携帯メールで連絡がとれた。球団にも無事を伝えました」

第475回 “ケガの功名”武田勝の必殺スライダー

 昨季14勝(7敗)をあげた北海道日本ハムファイターズのサウスポー武田勝のスライダーは右バッターの懐めがけて猛禽のように襲いかかってくる。巨人の坂本勇人によると、外に向かっていたボールが急に角度を変え、ジャックナイフのように懐をえぐるというのだ。それとは別にホームベースの外からアウトコースめがけて切れ込ませるものもある。

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