第505回 落合劇場にも第二幕あるはず

 不可解な監督解任劇はメジャーリーグにおいても珍しいことではない。たとえば1970年代最強のチームと呼ばれたレッズの名将スパーキー・アンダーソンは78年オフ、日米野球から帰国直後、突如、解任された。スパーキーが来日している間にクーデターは水面下で着々と進行していたのだ。  二人三脚でチームを強くした信頼できるパートナーだったディック・ワグナーから直々に「クビ」を通告された時のショックは察して余りある。「ブルータス、お前もか!」という心境ではなかったか。

第503回 おかわり、“満腹知らず”のHR占有率

 低反発の統一球の導入により、今季のプロ野球はホームラン数が激減している。球界全体で前年比マイナス約40%。巨人に至っては前年比マイナス約53%だ。  バットの先っぽでもフェンスオーバーする昨季までの“ホームラン・バブル”には閉口するしかなかった。しかし、いきなり前年比マイナス40%というのはNPB幹部も想定外だったのではないか。

第502回 スポーツに「永遠の法則」は存在しない

 PK戦になると、やにわに姿を消すサッカーの監督には驚いたが、自軍の試合を一切見ない野球のGMがいると知った時の衝撃はそれ以上だった。  その理由が振るっていた。 「自軍のプレーを生で見てしまったら、つい頭に血がのぼって、野球科学を忘れてしまいかねない」。その男にとって野球は「フィールド・オブ・ドリームズ」のような感傷的なものではなく、すぐれて確率的かつ計略的なものなのだ。

第501回 世界を仕留める「ヒットマッスル」

 主に広背筋のことをボクシングの世界では「ヒットマッスル」と呼ぶ。パンチ力の源とされている。 「ヒットマン」の異名を取ったトーマス・ハーンズ(米国・元5階級王者)にインタビューしたのは、今から21年前のことだ。胸板は薄かったが、脇から背中にかけての筋肉の盛り上がりは尋常ではなかった。

第500回 克服すべき「義足ランナー」への好奇の目

 熱戦が続く韓国・大邱での陸上世界選手権。ファイナルに進出できなかったものの、男子400メートルに出場した義足ランナー、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)には大きな拍手が送られた。  周知のようにピストリウスは先天性の身体障害により、生後11カ月で両足のヒザから下を切断する手術を受けた。彼のアスリート生活を支えているのは炭素繊維製の競技用義足。ブレードランナーの異名をとる所以だ。

第499回 少年少女よ「小石」にスポーツを学べ

 外で遊ぶ子供が減っているという報告がある。確かに昨今、相撲をとるどころかキャッチボールをする子供にも、とんとお目にかかれなくなった。「三丁目の夕日」の世界は遠のくばかりだ。  そもそも「SPORT」の語源は気晴らしや楽しみ、遊びである。電車の中で携帯電話やゲームに没頭している子供を見ると、「もっと体を動かそうよ」とつい、お節介を焼きたくなる。

第494回 なでしこが五輪招致活動の「顔」に

 乾坤一擲とは、こういうことを言うのだろう。1−2で迎えた延長後半12分だ。キャプテンマークを付けた澤穂希が宮間あやの左コーナーキックに飛び込んだ。ニアサイドの死角。右足のアウトに引っかけた。ボールはゴール前にいたアビー・ワンバックをかすめ、ゴールネットを揺らした。値千金の同点ゴール。その瞬間、隣近所から一斉に拍手が巻き起こった。時刻は朝の6時過ぎ。皆、息を潜めて、この瞬間を待っていたのだ。

第492回 王者・下田、「天才肌」から「天才」に

「言葉使いが全く変わった。入ってきた頃と比べると、別人みたいですよ」。最近、2人のスポーツ選手について、別の関係者から同じ感想を聞いた。ひとりがプロ野球、北海道日本ハムの若き主砲・中田翔。そして、もうひとりがこれから紹介するボクシングのWBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文である。

第491回 万死に値 ドジャースオーナーの球団私物化

 誰もがトップの座を降りて欲しいと願っているのだが、当の本人には全くその気がない。厚顔無恥。全く困った御仁である。  どこかの国の首相のことを言っているのではない。海の向こう、米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースのオーナー、フランク・マッコートのことである。

第488回 相撲協会の改革阻む「ごっつあん体質」

<私の場合、1500万円で買ったものが3億円で売れた。私はその金が借金の支払いに回るため、表に出してもよかったが、相手が金の出所を突かれたくないという事情もあって裏のままの取り引きにした>(『八百長 ―相撲協会一刀両断』)。自著で年寄名跡売買の実態について赤裸々に述べたのは今は亡き元大鳴戸親方(元関脇・高鉄山)である。当然、税務申告などしていないわけだから、この事案は紛うことなき「脱税」である。

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