体操

畠田好章(日本体育大学体操競技部監督/徳島県鳴門市出身)第3回「20歳の五輪と、その4年後」

「この子なら、将来必ずオリンピックに行ける!」。鳴門体操クラブの中瀬健は、小学5年の畠田好章が前日に負傷したのにも関わらず、全国大会を制した時に、そう確信したという。畠田は、中学時代は伸び悩むこともあったが、鳴門高校に進学後は順調に力を伸ばしていった。そして中瀬が抱いた予感は10年も経たぬうちに的中する。1992年8月、畠田は異国の地スペインへと旅立った。日の丸を背負い、バルセロナ五輪に出場したのだ――。

畠田好章(日本体育大学体操競技部監督/徳島県鳴門市出身)第2回「過信せず、無欲で掴んだバルセロナ行きの切符」

 中学生時代の畠田好章は、全国のタイトルとは無縁だった。“次期オリンピック選手”と期待を寄せる周囲と、「(五輪は)だいぶ遠かった」と感じる自己評価に大きな隔たりを感じ、やる気を失うことも少なくはなかった。小学4年から彼を指導していた中瀬健は、当時を振り返り「悪いサイクルが回っていた。成長し、いろいろと考える時期だった」と語る。なかなか練習にも身が入らず、不安を抱えたまま大会に臨んでいた。実力はあっても、それでは結果も出るはずがない。全国中学校体操競技選手権大会(全中)の個人総合では、2年時に2位、3年時は6位だった。同学年には大阪・清風中の田中光というライバルがいた。3年時に優勝したのは、田中の方だった。小学生時は全国大会優勝を経験していた畠田も、中学3年間でライバルに大きく差をつけられたかたちとなった。

野々村&加藤が世界選手権へ 大会は内村が6連覇 〜NHK杯体操〜

 8日、世界体操競技選手権(中国・南寧)の日本代表選考会を兼ねた「第53回NHK杯体操」最終日が東京・代々木第一体育館で行われ、男子は内村航平(KONAMI)が181.050点で優勝した。内村は大会史上最多の6連覇。178.775点で2位の野々村笙吾と、178.275点で3位の加藤凌平の順天堂大学コンビは、既に内定していた内村とともに世界選手権代表入りを果たした。世界選手権代表は計6名。残りの3名は7月の全日本種目別選手権(千葉)後に決まる。

女子は笹田が初V 笹田&寺本&井上が世界選手権切符 〜NHK杯体操〜

 7日、10月の世界体操競技選手権(中国・南寧)の日本代表選考会を兼ねた「第53回NHK杯体操」が開幕し、女子の競技が行われた。5月の全日本選手権を制し、持ち点でリードしていた笹田夏実(日本体育大)が、トータル83.725点で優勝。NHK杯初制覇を達成した。2位には昨年優勝の寺本明日香(中京大)が入り、3位には4位スタートの井上和佳奈(筑波大)が滑り込んだ。笹田は2大会連続2回目、寺本は3大会連続3回目、井上は初の世界選手権代表に選出。また14歳の宮川紗江(セインツ体操クラブ)が跳馬とゆかで最高得点をマークし、全体7位。今大会は8月のユース五輪(中国・南京)の選考も兼ねており、宮川は出場資格(1999年生まれ)を持つ選手中トップとなり、南京行きを決めた。

野々村&加藤、次代のエース候補が代表狙う 〜NHK杯体操〜

 7日から開幕する「第53回NHK杯体操」は、10月の世界選手権(中国・南寧)の日本代表選考会を兼ねている。男子は、既に世界選手権個人総合4連覇中の内村航平(KONAMI)が内定しており、今大会で2人の代表が追加される。5月の全日本選手権での得点の半分が持ち点として繰り越され、全日本選手権優勝の内村を除くと、同2位・野々村笙吾、同3位・加藤凌平の順天堂大学コンビが選考争いでリードしている。次世代のエースと目される20歳の野々村と加藤は、揃って代表入りとなるか。女子は7日、男子は8日に東京・代々木第一体育館で競技が行われる。

畠田好章(日本体育大学体操競技部監督/徳島県鳴門市出身)第1回「世界を知る指導者の確信」

 これまで数々の五輪戦士を輩出している日本体育大学は、言わずと知れた体操界の名門である。現在、同大体操競技部の監督を務めているのが、OBでもある畠田好章だ。現役時代は1992年バルセロナ、96年アトランタと五輪2大会に出場した。バルセロナでは団体での銅メダルに貢献し、95年の世界選手権では3つの銀メダルを獲得するなど、世界の舞台で活躍した。現在は後進を指導する立場として、優れた人材を育成し、世界と戦う体操NIPPONを支えている。

男子KONAMIが2年ぶりV 女子は朝日生命が優勝 〜全日本体操団体選手権〜

 3日、第67回全日本体操団体選手権決勝が行われ、男子は個人総合世界王者の内村航平ら日本代表経験者を揃えるKONAMIが2年ぶり3度目の優勝を果たした。前回王者で今年の学生チャンピオンの順天堂大学は3位。2位には日本体育大学が入った。女子は予選4位の朝日生命が美濃部ゆう、オクサナ・チュソビチナ(ウズベキスタン)らの活躍で予選1位の日本体育大学の4連覇を阻んだ。

体操競技指導者・池谷幸雄さんとの「虎四ミーティング」更新!

 昨年、開設したスポーツポータルサイトでは新たなスポーツ記事を連日、配信中です。このサイトではJBpress(日本ビジネスプレス)、講談社、スポーツコミュニケーションズの共同運営により、3社がそれぞれ配信している独自の記事を合わせて読むことが可能になっています。このたびゼンショー協力のオリジナル対談コーナー『虎四ミーティング』が更新されました。サッカー解説者の名波浩さんに続くゲストは、体操のソウル五輪、バルセロナ五輪と2大会連続でメダリストとなった池谷幸雄さん。二宮清純とすき家の新商品『チャプチェ牛丼』を食べながら、現世界王者の内村航平選手の凄さや池谷さんの現役時代のエピソードなどを語ってもらっています。

内村「団体金に近づけた」 〜世界体操帰国会見〜

 8日、日本体操協会は都内で記者会見行い、ベルギーのアントワープでの世界体操競技選手権に出場した日本代表のメダリストたちが出席し、計7個(個人総合2個、種目別ゆか2個、あん馬1個、平行棒1個、鉄棒1個)のメダルラッシュの喜びを語った。個人総合4連覇を成し遂げた内村航平(KONAMI)は「こんなに日本がメダルを獲るとは思わなかった」と予想を上回る好結果だったことを明かし、ゆかで日本人最年少での金メダルを獲得した白井健三(神奈川・岸根高)は「楽しい大会だった」と振り返った。

内村、平行棒で金、鉄棒は銅 〜世界体操〜

 現地時間6日、ベルギーのアントワープで世界体操競技選手権最終日が行われた。男子種目別決勝の平行棒で15.666点を出した内村航平(KONAMI)が金メダルを獲得した。日本人の同種目での金は具志堅幸司以来32年ぶり。さらに鉄棒で内村は3位に入り、銅メダル。個人総合銅メダリストの加藤凌平(順天堂大)は7位に終わった。内村は今大会、個人総合と平行棒で金、床運動と鉄棒で銅と、4つのメダルを手にした。床運動で金メダルを獲得した白井健三(岸根高)は跳馬で15.366点の4位と、2つめのメダルとはならなかった。一方、女子の床運動の予選でH難度の大技を成功していた村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)は14.466点で4位だった。

17歳・白井、ゆかで金 亀山はあん馬で金 〜世界体操〜

 現地時間5日、ベルギーのアントワープで世界体操競技選手権の男子種目別決勝が行われた。床運動で初出場の17歳・白井健三(岸根高)が16.000の高得点をマークし、優勝。日本人最年少での金メダリストなった。2日前に個人総合を制し、同種目の前回王者の内村航平(KONAMI)は3位に入り、銅メダル。表彰台の2つを日本人が占めた。あん馬は初出場の亀山耕平(徳洲会)が15.833点で制し、同種目では鹿島丈博以来、10年ぶり2人目の日本人金メダリストが誕生した。つり輪で前回銅メダルを獲得した山室光史(KONAMI)は7位だった。

内村、前人未到の4連覇! 加藤は2位 〜世界体操競技選手権〜

 現地時間3日、世界体操競技選手権の個人総合決勝がベルギー・アントワープで行われ、内村航平(コナミ)が91.900点で、大会史上初の4連覇を達成した。通算優勝回数も3度で並んでいた女子のスベトラーナ・ホルキナ(ロシア)を抜き、最多となった。内村は決勝の6種目すべてで15点台をマーク。「予選と同様にミスが出なかったことが結果につながったと思う」と勝因を語った。また加藤凌平(順天堂大)が90.032点で2位。日本人選手が世界選手権で1、2位を占めたのは、05年メルボルン大会の冨田洋之、水鳥寿思以来、3度目となった。4日には女子の個人総合決勝が行われ、日本勢では笹田夏実(帝京高)と寺本明日香(レジックスポーツ)が出場する。

野々村笙吾(順天堂大学体操競技部)<後編>「清く、正しく、美しく」

 数々のタイトルを手にし、順風満帆だった高校生活を終え、野々村笙吾が進学先に選んだのは順天堂大学だった。五輪出場選手を多数輩出している名門校で、野々村が入学する前年の全日本学生選手権(インカレ)でも優勝を収めるなど、大学体操界をリードしていた。強豪校でありながら指導方針は選手の自主性を尊重しており、彼の通っていた市立船橋高校と同じだったことも魅力のひとつだった。そして、何より野々村が順大を選んだのには、憧れの冨田洋之がコーチでいたからだ。

野々村笙吾(順天堂大学体操競技部)<前編>「五輪金メダルへのラストピース」

 世界の頂点を知る者たちが、「彼」の才能を賞賛している――。近年、日本が生んだ世界に誇れる体操選手といえば、冨田洋之(順天堂大学体操競技部コーチ)と内村航平(KONAMI)である。その2人が自らを超えるべき選手と期待を寄せているのが、順大体操競技部の野々村笙吾だ。20歳になったばかりの大学2年生は、3年後のリオデジャネイロ五輪で、北京、ロンドンと2大会連続で逃した団体金メダル獲得のキーマンとして、目されている。

田中兄弟、いずれもメダルに届かず 〜体操〜

 7日、体操男子の種目別平行棒の決勝が行われ、田中和仁(徳洲会)は15.500と0.066点差でメダルに及ばず、4位だった。また弟の田中佑典(コナミ)は15.100で8位に終わった。兄の和仁はきれいな倒立から演技を次々と決めたが、細かいミスが響き、団体に続くメダル獲得はならなかった。

鶴見、段違い平行棒で7位入賞 〜体操〜

 7日、体操女子の種目別段違い平行棒の決勝が行われ、鶴見虹子(日体大)が7位入賞を果たした。五輪の同種目で日本人が入賞するのは1984年ロサンゼルス大会の望月のり子以来、28年ぶり。鶴見は北京では個人種目別の平均台で8位入賞しており、個人でも2大会連続の入賞を収めた。

内村、個人総合で圧勝の金! 〜体操〜

 1日、体操男子の個人総合が行われ、内村航平(コナミ)が92.690で他を圧倒し、金メダルを獲得した。個人総合で日本人が五輪を制するのは、1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司以来、28年ぶり4人目。世界選手権で前人未到の個人総合3連覇を果たした第一人者が、五輪でも美しい演技で世界の頂点に立った。また田中和仁(徳洲会)は89.407で6位に入った。

体操女子団体、8位に終わる

 31日、体操女子団体の決勝が行われ、日本は166.646で8位に終わった。予選を6位通過した日本はチーム最年少、16歳の寺本明日香(レジックスポーツ)が全4種目に登場。寺本は安定した演技をみせ、予選に続いてチームを牽引したが、他の選手にミスがあり、得点が伸びなかった。金メダルは米国で、183.596と他を圧倒して1996年アトランタ大会以来の優勝。日本は前回成績(5位)を下回った。

体操男子団体、銀メダル

 30日(現地時間)、体操男子団体決勝が行なわれ、日本は北京に続いて銀メダルを獲得した。予選では落下が相次ぎ、5位に終わった日本は立て直しを図って決勝に臨んだ。2種目目の跳馬で山室光史(コナミ)がケガを負うなどのアクシデントがあったものの、中国に次いで2位をキープして最終のあん馬へ。最後を飾った内村航平(コナミ)がミスをしたが、僅かの差で地元英国とウクライナを上回り、銀メダルを獲得した。

田中3兄妹が揃って五輪へ 鶴見も2大会連続出場 〜体操NHK杯〜

 男女体操のロンドン五輪日本代表決定競技会となるNHK杯(代々木競技場第一体育館)は5日、最終日を迎え、男子の田中和仁(徳州会)、佑典(コナミ)兄弟と、女子の田中理恵(日体大研究員)が揃って選考基準を満たし、五輪代表に決まった。日本の体操で3兄妹で五輪に同時出場するのは史上初めて。既に男子で代表内定が出ていた内村航平(KONAMI)も含め、男女5人ずつがロンドンへの切符を手にした。

内村、床で日本勢37年ぶり金メダル 〜世界体操〜

 体操の世界選手権は15日、男女の種目別決勝が行われ、内村航平(KONAMI)が床で15.633点をマークし、金メダルを獲得した。内村にとって世界選手権の種目別で優勝するのは初めて。日本勢が床を制したのは1974年大会の笠松茂以来、37年ぶりの快挙となった。その他の種目では山室光史(コナミ)がつり輪で銅メダルを獲得した。

内村、史上初の個人総合V3! 〜世界体操〜

 体操の世界選手権は14日、男子個人総合の決勝が行われ、内村航平(KONAMI)が史上初の3連覇を達成した。93.631点は昨年7月のジャパンカップを上回り、国際大会の自己ベスト。2位のフィリップ・ボイ(ドイツ)に3.131点差をつける圧勝だった。3位には山室光史(コナミ)が予選からひとつ順位を上げ、銅メダルを獲得。個人総合で日本勢が2つのメダルを獲得するのは2005年のメルボルン大会以来で、来年のロンドン五輪へ大きな期待が膨らんだ。

北京五輪銀メダリスト内村ら、7カ国の強豪たちが出場 〜体操JAPAN CUP 2009〜

 18、19の両日、幕張メッセで「第1回体操JAPAN CUP 2009」が行なわれる。大会には北京オリンピック金メダリスト4名を含む48名が出場、参加国は7カ国に及ぶ。3年後のロンドンオリンピックを見据えた、世界トップクラスの強豪選手たちが顔を揃える。日本のエース格は北京オリンピック男子個人総合銀メダリスト内村航平(日体大)と、女子の鶴見虹子(朝日生命体操ク)だ。2人を中心に男女ともに好成績が期待される。初日の18日は国別団体、2日目の19日は個人総合が行なわれ、ハイレベルな激戦が繰り広げられる。

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