今月に入り、リングの英雄たちの訃報が相次いでいる。プロレスラーのアントニオ猪木に続き、今度はプロボクサーのエデル・ジョフレだ。4日、ブラジル・サンパウロ州で肺炎による合併症のため他界した。86歳だった。 ボ […]
現役時代、“燃える闘魂“と呼ばれたアントニオ猪木さん。記憶に残る名勝負をひとつ挙げろと言われれば、1976 年6月26 日、東京・日本武道館で行われたモハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」にとどめを刺す。私は高校2年 […]
ウクライナ侵攻から7カ月が経ち、戦況の悪化に業を煮やしたロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「部分動員令」を発令した。日本風に言えば、“赤紙”だ。これに対する抗議行動がロシア国内で相次いでいる、と海外の多くのメディア […]
スポーツの世界には「バニスター効果」という言葉がある。概説は、こうだ。陸上の1マイル競走(約1600メートル)は1923年4月にフィンランドのパーヴォ・ヌルミが4分10秒3で走って以来、長きにわたって破られることがなか […]
ベネチア国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門にノミネートされた映画『LOVE LIFE』(深田晃司監督)。耳の聞こえない男性を演じたのが「ろう者」の俳優・砂田アトムである。その砂田が手話について、実に興味深い話 […]
これは名言なのか、それとも迷言か。「オレはビルの谷間のラーメン屋」。自らの境遇を嘆き、自嘲気味にそう語った政治家がいる。首相になる前の小渕恵三である。 群馬県内の同じ選挙区には首相経験者の福田赳夫と中曽根康 […]
人事に際し、やたら前任者を否定したがる者がいる。その結果、せっかく進めてきた新規事業が頓挫してしまうことが、ビジネスの世界では、よくある。その一方で、何事も前例踏襲とばかりに、全く自らの色を出そうとしない後任者もいる。 […]
仙台育英(宮城)が東北勢として初めて甲子園を制した。ご同慶の至りである。 東北勢は過去、春夏合わせて12回も決勝に進出しながら、いずれも敗れており、「越すに越されぬ白河の関」などと言われたりもした。その呪縛 […]
「古豪」という言葉には、どこか寂寥感が漂う。「昔は強かったけど、今はね」。概ね、そんなニュアンスだ。 それでも四国の出身者、わけても高校野球愛好家にとって、高松商(香川)は松山商(愛媛)と並んで特別な存在だ。 […]
ウクライナ情勢に関する軍事評論家・小泉悠の豊富な知識に裏打ちされた的確な論評には、いつも深くうなずかされる。旧聞に属する話で恐縮だが4月4日放送の「報道1930」(BS-TBS)では、かつてロシアがチェチェンやシリアで […]
社会人野球には高校野球や大学野球などの学生野球、あるいはプロ野球にはない独特の魅力がある。それは選手の多様性にあるのではないか。プロを目指している選手がいる一方で、会社に骨を埋めるつもりの選手もいる。プロ経験者も少なく […]
プロ転向を宣言した羽生結弦の生き様を見るにつけ、脳裡をよぎるのが米国のノーベル賞作家ジョン・スタインベックの名言である。 <天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である> 羽生にとっ […]
「プロレスに市民権を!」。声高にそう主張する者が増えたのは、1980年代に入った頃からではないかと記憶している。プロレスブームを牽引したアントニオ猪木率いる新日本プロレスには飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。にもかかわらず「市 […]
インターネットで「小さな大投手」という言葉を入力して検索すると、さる6月30日、NPB史上28人目の3000投球回を達成した東京ヤクルト・石川雅規に関する記事が真っ先に出てくる。 かつて石川は、自らの身長を […]
5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)を返り討ちにしたことが評価され、世界3団体統一王者(WBAスーパー&WBC&IBF)となった井上尚弥が、米リング誌が決める「パウンド・フォー・パウンド」最強に選ばれたのは3週 […]
えっ、もう入団発表? 27日付の本紙1面の写真を見て驚いた。Cのロゴが入った真っ赤な帽子。見出しは「秋山 広島」。シンシナティ・レッズ時代の写真だが、パッと目にしただけではユニホームを含めカープのそれと見分けがつかなか […]
飲食店に「アルゴリズム」なる計算法を用いて点数をつける「食べログ」というグルメサイトがあることは知っているが、一切見たことがない。 理由はいたって簡単。うまいか、うまくないか。リーズナブルか否かは、あくまで […]
7月18日開幕の都市対抗野球に出場する32チームが出揃った。個人的に注目しているチームがある。3年ぶり2回目出場の宮崎梅田学園(宮崎市)だ。選手たちのほとんどは自動車教習所の教官である。 梅田條尾社長と知り […]
近頃はスポーツ選手が「国民栄誉賞」を辞退したからといって、いちいち驚かなくなった。イチローは2001、04、19年と3度も授与を打診されながら「野球人生を終え切った段階でいただけるように頑張りたい」「人生の幕を下ろした […]
ことスポーツのことなら、何でも知っているのではないか。そう思わせたのがラグビー前日本代表ヘッドコーチ(HC)で、現在はイングランドを指揮しているエディー・ジョーンズである。 その博覧強記ぶりに驚かされたのは […]
今年は沖縄の本土復帰50周年という節目の年にあたる。1972年5月15日、施政権が米国から日本に返還された。 沖縄県出身初のプロ野球選手として知られる安仁屋宗八(広島-阪神-広島)には、もうひとつ“沖縄初” […]
こちらの「2・26事件」は歴史の教科書には載っていない。3日前の5月15日、Jリーグはスタートして30年目を迎えた。もしサッカー版「2・26」が起きていなければ、Jリーグはあれほど見事に離陸できなかったのではないか―― […]
小学校の先生が、大学生を教えようとすれば難渋するだろう。では大学教授なら小学生を左うちわで教えられるのか。いや、それも、そう簡単ではあるまい。 さる5月1日に80歳で世を去ったサッカーの元日本代表監督イビチ […]
サスティナビリティ(持続可能性)の観点からも、改革は、もう待ったなしだ。 スポーツ庁の有識者会議は先月26日、公立中学校の休日の運動部活動(ブカツ)を、2023年度から3年かけて地域や民間に移行する提言案を […]
またひとり“伝説の生き証人”が世を去った。黄金期の阪急などで活躍した阪本敏三さん。78歳だった。 立命館大学から河合楽器を経て阪本さんが入団したのが1967年。この年、阪急は闘将・西本幸雄監督の下、初のリー […]