第376回 ハンド宮「異業種交流」の成果

 ひとつの世界に長い間どっぷり漬かっていると、どうしても視野が狭くなる。その弊害を取り除き、活力の創出や双方の相乗効果を狙って始めたのが、企業間の「異業種交流」である。最近では銀行の総合研究所やコンサルティング会社が仲介となり、新規事業の立ち上げや新商品の開発に一役買っている。

第371回 「日本力」に込められた想い

 私が小学生の頃だから、ちょうど東海大相模の監督に就任し、同校を初優勝に導く直前のことではないか。スポーツニュースでの一場面。「神社に何をお祈りしたのですか?」。インタビュアーの質問に、監督の原貢は「いや、なにもお祈りなんかしていない。“優勝するから、神様ぜひ見ておいてください”と前もって報告しにきたんですよ」と平然と答えたのだ。

第370回 A・ロッドとオバマ大統領の“悲しき”年俸格差

 バラク・オバマ米国大統領の報酬が40万ドル(約3700万円)と聞いて「安い」と思ったのは私だけだろうか。そこでオバマ大統領と同程度の報酬を得ているプロ野球選手を探すと小谷野栄一(北海道日本ハム)、長谷川昌幸(広島)…。外国人ではチェン(中日)、シーボル(広島)らがそうだ。

第369回 豪州選手の「大義」が怖い

 数夜にして東京都の約1.6倍の面積を焼き尽くしたというのだから尋常ではない。テレビが映し出す絵は、さながら阿鼻叫喚の地獄絵図だった。  7日夜、オーストラリア南東部ビクトリア州で森林火災が発生し、現在までに200人近い死者が出た模様。ケビン・ラッド首相は「まるで(原爆投下直後の)ヒロシマのようだ」と語った。関係筋によると放火の疑いもあるという。南半球は真夏。記録的な猛暑と乾燥した空気が火の手を拡大し、今もまだ燃え続けている。

第368回 相撲協会は天皇賜杯を辞退せよ!

 何やら「盗人に追い銭」といった趣だ。大麻力士に500万円超の退職金。どう考えても道理に合わない。それとも、あれはかたちを変えた“手切れ金”なのか。  さらに驚いたことに大麻問題で降格していた親方が半年もたたないうちに昇格とは……。理事長をはじめ役員報酬のカットもなし。よく「角界の常識は世間の非常識、世間の常識は角界の非常識」というが、ここまでくると、もはや空いた口が塞がらない。日本相撲協会は鈍感にも程がある。

第367回 侍ジャパンに必要なスマートパワー

 スマートパワー――。バラク・オバマ米国新大統領が好んで使う言葉だ。もともとはオバマ政権下で駐日大使に就任見通しのハーバード大ジョセフ・ナイ教授、リチャード・アーミテージ元国務副長官らが提言した概念で外交や情報活動など軍事力(ハードパワー)に頼らない力を指すものだという。

第365回 野球に通じる麻雀の“読み合い”

 第2回WBCの日本代表候補に選出されているマリナーズの城島健司といえば球界きっての“雀豪”として知られている。佐世保の実家もかつては雀荘だった。  その城島が「麻雀をすれば(投手の)性格がわかる」と語っている。奥の深い発言だ。雀卓を囲むことで代表候補に選ばれている投手たちの性格を把握しようという寸法だ。

第364回 スポーツも名所旧跡に劣らぬ文化財

 最初に断っておくが、名所旧跡はできるだけ大切に保護しなければならないと私は考えている。しかし、果たして土地は死者だけのものなのか。生者にモノを言う権利はないのか。敢えて挑発的な物言いをしたのは名所旧跡を前にするとスポーツはあまりにも無力だからである。

第363回 楽天・内村は“野村イズムの申し子”

「どんな人間にも、一生に一度、必ずチャンスが訪れる」。それが東北楽天・野村克也監督の口ぐせである。「問題はそれをモノにできるかどうか…」  これは自身の経験からくるものなのだろう。南海入団後2年間、野村は1軍のゲームにはほとんど出場することができず、戦力外通告を受けたこともある。ところが3年目のオープン戦でチャンスを掴む。主戦捕手の松井淳が肩痛を理由に試合を欠場。代役として出場した野村は攻守に溌剌としたプレーを見せ、レギュラーの座を奪い取ってみせたのである。「だから、たとえオープン戦であろうとも僕はケガをしても絶対に休まなかった。今度は逆の立場になるんですから。その危機感だけでやっていたようなもんですよ」

第362回 プロレス中継消滅に想う

 テレビの歴史は、そのままプロレスの歴史でもある。そしてプロレスといえば力道山だ。あの長嶋茂雄がプロ入りの際のインタビューで「憧れの人は力道山」と答えたのは有名な話。空手チョップを振るって観衆を鼓舞する姿に感銘を受けたというのだ。  1954年2月、蔵前国技館で行なわれたシャープ兄弟との対決には、力道山見たさに2万人の観衆が新橋駅前の広場に詰め掛けた。街頭テレビを観るためだ。国民の多くは力道山を通してテレビという“文明の利器”を知ったのである。

第361回 プロ野球女子選手の起用は慎重を期すべき

「男女共同参画社会基本法」が制定されたのは平成11年6月のことだ。その骨子として男女は「社会の対等な構成員」として「自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保」されなければならない、とうたわれている。附帯決議ではDVに対しても喫緊の課題として取り上げられ「あらゆる形態の女性に対する暴力の根絶に向けて積極的に取り組むこと」との一文が盛られている。

第360回 ひとつの時代に幕、ホンダのF1撤退

 20世紀は「自動車の世紀」であったとも言える。米国においてモータリゼーションが始まったのは1900年代初頭。やがてこれは全世界に広がり、市民生活の向上や産業振興がはかられた。  本格的な自動車レースも20世紀になって産声をあげた。1906年、フランスで初の四輪グランプリである「ACFグランプリ」が開催され、戦後、規格が整えられてF1へと発展していく。1906年といえばホンダの創業者・本田宗一郎が誕生した年でもある。不思議な因縁を感じずにはいられない。

第358回 WBC代表入りのガイドラインを作るべき

 少々、意地悪な物の見方をしてみる。仮にWBC東京ラウンドの主催者が読売新聞社ではなく中日新聞社だったとする。果たして中日の候補選手5人全員が代表入りを辞退するなんてことがありえただろうか。今回の中日の“集団ボイコット”に球団エゴの匂いが消えないのは、そんな背景が見え隠れするからだ。

第357回 円高はJリーグが存在感示す好機

「いくらチャンピオンズリーグとはいえ3階席で37ポンドだよ。日本円で約6000円(当時)。これじゃフットボールは“庶民のスポーツ”とは言えないな」。過日、川淵三郎氏と会食する機会があった。この10月、オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッド対セルティック戦を観戦した時の話。日本人観光客にチケットの値段を聞いたところ、先の答えが返ってきたという。プレミアリーグの入場料は平均8000円。高騰する年俸が入場料にはね返る。

第354回 残念だった“非公開”WBC監督人事

「後医は前医を批判せず」。医療の世界にはこんな不文律がある。元々は貝原益軒の「たとえ誤るとも、前医をそしるべからず」という言葉に端を発している。  良心的に解釈すれば病状は日々刻々、変化する。医師はその場その場で全力を尽くしているのだから、後で診た者がああだこうだと治療法の是非を論じるのはアンフェアだということなのだろう。かつてはこの姿勢を貫くことこそが医師の美徳とされてきた。

第353回 真のWBCへ イチローの重い問いかけ

「北京の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みを揃えることなど不可能」。目の覚めるような正論だ。一部に「一選手が言うべきことではない」との声もあるが、誰かが言わなければならなかったことだ。イチローの男気に敬意を表したい。

第352回 球界の命綱「時間短縮」もっとシビアに

 教師が答案用紙に採点結果を書いて生徒に返すだけでは教育とは呼べない。指導とも呼べない。なぜこの点数になったのか、冷徹な検証が必要である。  今季のプロ野球は「試合時間マイナス6%」を目標にスタートした。過去10年間の平均試合時間は3時間18分。つまり12分短縮の3時間6分が目標だった。

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