プロ野球
始まりがあれば終わりもある。それが記録というものだ。 イチロー(マリナーズ)のシーズン200安打記録がついに途切れた。11年連続の達成はならなかった。
「巨人はロッテより弱い」 この発言で一躍、全国に名前が知れ渡った男がいる。元近鉄の加藤哲郎だ。1989年の日本シリーズ第3戦、先発で好投し、近鉄3連勝の立役者となった加藤は試合後、そう口にしたとされている。これが巨人ナインに怒りの火を灯したのか、その後、近鉄は4連敗。チーム初の日本一をあと一歩のところで逃した。V逸の“A級戦犯”と非難された加藤だが、果たして、あの発言は事実だったのか。今回、二宮清純が『文藝春秋』誌上で検証を試みた。その一部を紹介したい。
T−岡田にとっての転機はプロ3年目、08年の秋だった。入団時、打撃の指導を受けた藤井康雄(現ソフトバンク打撃コーチ)が二軍打撃コーチとしてグラウンドに戻ってきたのである。 T−岡田はルーキーイヤーの06年、3試合だけ一軍の試合に出場したものの、07、08年は二軍暮らしだった。潜在能力の高さには誰もが目を見張ったが、プレーが洗練されていなかった。原油を石油に精製する、その術が見つからなかったのだ。
メジャーリーグにおける最高のヒーロー、ベーブ・ルースが主に3番打者だったこともあり、米国野球で「4番最強論」を唱える向きは少ない。 今季、アスレチックスでプレーした松井秀喜がヤンキースの4番に初めて座った時、日本のメディアは大騒ぎしたが、ニューヨークのメディアは“無風”だった。
かのコルビー・ルイス(レンジャーズ=元広島)が、3日(現地時間)レイズとの地区シリーズで6回1失点の好投。今季ポストシーズンの1勝目を挙げた。 ルイスが好投すると、なんか、嬉しい。「日本での経験は野球人生を変えただけでなく、喜びと感謝の気持ちに満ちた人生の大切な1ページ」(「スポーツニッポン」10月5日付)だそうだ。
昨季本塁打王のバットが、ようやく火を吹き始めた。 3年ぶりのクライマックスシリーズ進出へ9月に快進撃をみせたオリックス。チームの大きな原動力となっているのが4番のT−岡田だ。今季は序盤から主砲としての役割を果たせず悩んだ。8月には2軍落ちも経験した。だが、1軍復帰後は調子を上げ、9月23日の北海道日本ハム戦ではダルビッシュ有からソロアーチを含む3安打。対戦するピッチャーにとっては怖い存在になっている。苦しみを乗り越え、また一回り大きくなった23歳を二宮清純が取材した。
女子W杯で世界一になった「なでしこジャパン」の面々が国民栄誉賞を受賞するにあたり、「断った人」として、今頃になって脚光を浴びたのが盗塁で一世を風靡した元阪急の福本豊である。 通算盗塁数の「世界記録」は1993年にリッキー・ヘンダーソンによって破られたが、通算1065盗塁は日本においてはアンタッチャブル・レコードである。
話を進めよう。野球小僧であるからには甲子園を目指すのは当然の成り行きだ。田中が進んだのは地元の強豪ではなく、四国・香川の尽誠学園高だった。いわゆる野球留学である。 「その頃、寮生活に憧れていたんです。寮に入って、朝から晩まで野球漬けの生活を送りたいって……」 尽誠でも田中には、その後の野球人生に大きな影響を与える出会いがあった。コーチの椎江博(現大阪学院大高監督)である。
今季のレギュラーシーズンも各チーム、残りは20試合前後となった。セ・リーグの優勝争いは東京ヤクルトと中日に絞られたと言っていいだろう。10年ぶりのVを目指すヤクルトにおいて、決して目立ちはしないがチームに欠かせない存在なのが2番・セカンドの田中浩康である。打ってはバントや右打ちで打線のつなぎ役に徹し、守っては巧みなポジションニングで難しい打球も難なくさばく。まさにバイプレーヤーのなかのバイプレーヤーだ。そんな29歳の野球人生を二宮清純が取材した。
「キャッチャーは現場の指揮官」。ノムさんこと野村克也の口ぐせである。ノムさん流に言えば、キャッチャーは現役時代から監督の見習いをやっているようなものだ。 キャッチャーの仕事はピッチャーをリードするばかりでなく、守りのフォーメーションを指示し、バッターの狙い球を読み、相手ベンチの出方を探る――。まさに「現場の指揮官」である。
プロ野球もいよいよ大詰めを迎えています。セ・パ両リーグともにクライマックスシリーズ進出をかけたAクラス争いは最後までどうなるかわかりません。昨季、日本一となった千葉ロッテがリーグでは3位ということを考えれば、リーグ優勝以上にAクラス争いが気になるところ。果たしてどんな結果が待ち受けているのでしょうか。一野球人としては、いい試合を一つでもファンに見せてほしいと思っています。
1990年代から2000年代にかけて、ヤクルト(現・東京ヤクルト)は5度のリーグ優勝、4度の日本一を達成した。その黄金時代を築き上げたのが古田敦也、高津臣吾、飯田哲也、宮本慎也、岩村明憲らである。彼らを発掘し、プロの世界へと導いたのが元スカウト部長の片岡宏雄氏だ。独自の視点と手法で33年間、スカウト活動を行なってきた片岡氏に二宮清純がロングインタビュー。その一部を紹介する。
「キャッチャーは打てなくてもいい。守りさえしっかりできればいい」 プロ野球の世界では、しばしば、そんなセリフを耳にする。 「それは間違っています」 はっきりとそう口にしたのが広島などで20年間に渡ってマスクを被った西山秀二だ。
剛速球で甲子園を沸かせた高校生投手といえば、近年では寺原隼人(日南学園高、現オリックス)、由規(仙台育英高、現東京ヤクルト)、菊池雄星(花巻東高、現埼玉西武)らの名前があがる。いずれも150キロ台のストレートを投げ、話題になった。だが、スピードガンが普及していない時代まで遡ると、やはり「“怪物”江川卓が最も速かった」と証言する元選手、関係者が圧倒的だ。3年春のセンバツでは4試合で60三振(現在も大会記録)を奪うなど、数々の伝説を残した江川本人に当時を改めて振り返ってもらった。
まだ3年生ながら、松沼雅之(東洋大−西武)が保持していた通算15完封の東都大学野球リーグ記録に並んだ。来シーズンオフのプロ野球ドラフト会議の超目玉だろう。 亜大の東浜巨は9月4日、日大相手に7安打シャットアウト勝ちし、通算23勝目を挙げた。無四球、三塁を踏ませない内容ながら「最悪でした。納得のいかない15個目になってしまった」「体が突っ込んで、切れもなくて何ひとついいところがなかった」と言うのだから、本当の実力はこんなものじゃないということだ。
SFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)を武器とする歳内宏明(聖光学院)。152キロの快速球を誇る釜田佳直(金沢)、四国ナンバーワンの左の強打者・北川倫太郎(明徳義塾)、投打ともに今大会屈指の実力を持つ白根尚貴(開星)など、今夏の甲子園も逸材が目白押しだ。
夏の甲子園(全国高校野球選手権)は面白かった。いくつも印象的な試合があったが、たとえば八幡商(滋賀)−帝京(東東京)。3−0と帝京リードで迎えた9回表。帝京の左腕・渡辺隆太郎は8回まで二塁を踏ませず、このまま危なげなく完封で逃げ切るのだろうと、誰もが思ったに違いない。ところがこの回、1死から3連打を浴びて満塁。ショートゴロエラーで3−1とされて、なお1死満塁。 続く八幡商の打者・遠藤和哉はファウルで粘り、カウント3−2となった。さらにファウルをして迎えた9球目。帝京の1年生捕手・石川亮はおそらくスライダーのサインを出した、のだと思う。投手・渡辺はうなずいてから首を振り、サイン交換をやりなおす。結果、投げたボールはストレート。これが高めに入ってしまって、なんと逆転満塁ホームラン。強豪・帝京敗退の瞬間だった。
1日、NPB(日本プロ野球組織)は中日・井端弘和選手にドーピング違反があったことを発表。井端には始末書の提出を求め、けん責処分とし、中日には制裁金300万円を命じた。7月12日にドーピング検査を受けた結果、井端が外科的治療の目的に内服した薬から禁止薬物「プレドニゾロン」の陽性反応が示された。2007年にドーピング検査を本格的に導入後、日本人選手では初のこととなる。
「彼は先発タイプ。次代のエース候補として育てたい」 2月の春季キャンプがスタートして早々、「星野真澄」の文字が新聞紙上をにぎわせた。川口和久投手総合コーチが巨人の次期エースとして彼の名前を挙げたのだ。独立リーグ・BCリーグから育成選手として巨人に入団した星野は1年目の昨季、開幕前に支配下登録されると、貴重な左の中継ぎとして34試合に登板。2年目の今季はさらなる活躍が期待されていた。だが、星野自身は周囲が評価するほど、自分のピッチングに満足はしていなかった。オフには課題だと感じた股関節の強化やスタミナ不足の解消に取り組み、2年目のシーズンこそ結果を出したいと意気込んでいた。しかし、その星野に大きな壁がたちはだかった。今年から採用された低反発の統一球だ。
世界一の代打男といえば、元阪急の高井保弘である。通算代打本塁打27本はメジャーリーグにもない“世界記録”だ。勝負どころで他球団のエース級のウイニングショットを一振りで仕留める。その仕事を全うすべく、高井はすさまじい努力を重ねていた。ベンチやネット裏で投手のフォームを目を皿のようにして観察し、クセによって球種を見破るのだ。各投手の特徴をまとめた「高井メモ」は、他の選手から「ベンツと交換してほしい」と懇願されるほど詳細なものだった。そんな貴重なメモの一端を今回、二宮清純の取材で本人が明かしてくれた。
開幕前には下馬評の低かったカープが、曲がりなりにもクライマックスシリーズ進出争いに加わっていられるのは、青い目のスカウトのおかげだろう。 エリック・シュールストロム。カープファンでも、その存在を知る者は少ない。辣腕の駐米スカウトだ。
: もう1杯、をいかがですか? : では、ロックでお願いします。やっぱり、そばはスッキリしていておいしいですね。
日大三(西東京)の2度目の優勝で幕を閉じた今年の高校野球、皆さんはどんなふうに感じられたでしょうか。今回は、3月の大震災で甚大な被害を受けた被災地への復興支援という意味が込められた特別な大会でした。そうした意識があったからかもしれませんが、私は例年以上にハツラツとし選手の姿が印象に残りました。当然のことではありますが、全力疾走ひとつにしても選手の野球への真摯な気持ちがひしひしと伝わってきたのです。選手たちの最後まで諦めない姿勢が終盤での逆転勝ちや、劇的なサヨナラゲームなどを呼び起こしたのでしょう。甲子園が連日のように超満員の観客に埋め尽くされていたことが、今大会が大盛況だったことの何よりの証です。
メジャーリーグではミート力、パワー、スピード、守備、スローイングの5つを兼ね備えた選手を5ツールプレーヤーと評する。日本において、この資格を有している内野手として真っ先に名前が浮かぶのが埼玉西武の中島裕之だろう。打ってよし、守ってよし、走ってよし。なかでも、そのバッティング技術は同じプロ選手でさえ舌を巻くほど高いものがある。今回、その天才的な打撃の一端に触れるべく、二宮清純が本人を直撃した。
どうもメジャーリーグ関係者は日本のプロ野球を植民地扱いしたいようだ。 先頃、労組・日本プロ野球選手会が、13年3月開催予定の第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に、条件が改善されない場合、出場しないことを全会一致で決議した。