第43回 ルマンの同郷人・松井大輔<Vol.7>

 2006年11月11日、ぼくはフランスのルマンにいた。  日が沈んで試合時間が迫ると、川沿いのホテルから歩いてスタジアムに向かった。スタジアムに近づくと、ほのかな街灯の中に、ルマンのユニフォームを着た人たちが歩いているのが見えた。その日の相手は、パリ・サンジェルマンだった。

南米選手権はJの犠牲なしで参加を

 CS放送のJスポーツでオンエアされていたマリオン・ジョーンズのドキュメンタリーを見た。シドニー五輪陸上競技で5つのメダルを獲得した彼女は、後にドーピング発覚してすべてのメダルを剥奪されたばかりか、偽証罪に問われて6カ月の実刑を受けた。番組には、いまは女子プロバスケットボールの選手として活躍する彼女の、印象的な言葉がちりばめられていた。 「完全に打ちのめされた人間でも、立ち上がることが可能だと証明したかった」。「嬉しかったのは、若い人たちから諦めないでくれてありがとうと言われたこと」  いつか、被災地の方々に見ていただきたいドキュメンタリーである。

第134回 川尻達也、青木真也、高谷裕之の新天地を求める闘いに期待!

 4月に入ったが、「K-1」「DREAM」「SRC」といった日本のメジャー格闘技団体の今年の年間大会開催スケジュールが、まだ発表されていない。次回大会の開催も決まっておらず、ファンは待ち疲れ、選手たちは不安な気持ちで日々を過ごしている。

第170回「ファーストゴール」 〜2011年J2開幕戦、コンサドーレ札幌戦〜

 いよいよ2011シーズンの開幕を迎えた愛媛FC。甘え心は通じない、Jリーグ参入6年目。まさに勝負の一年である。  3月5日(土)、J2リーグ2011シーズンの開幕戦(第1節)となる愛媛FC対コンサドーレ札幌の一戦が、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて行われた。

第193回 2億ドルの“アンダードッグ”、ヤンキースが発進

「ヤンキースが“アンダードッグ”として開幕を迎えるのはいつ以来かな?」 「ジョー・トーレ政権が始まった1996年以来かもしれないな……」 2011年シーズン開幕を翌日に控えた3月30日。公開ワークアウトが行なわれたヤンキースタジアムで、記者仲間とそんな会話を交わした。

茫然と、野球を見る

 東京で生活をし、野球を見る。茫然と、野球を見る。  たとえば、センバツ第4日目、第3試合(3月26日)を見た。国学院久我山−九州学院戦。久我山のエース川口貴都は180センチ、82キロの2年生。しっかりとした体をしている。普通に投げて、ストレートは140キロを超える好投手である。将来、プロに行っても不思議はないな。うまく成長したらローテーション投手までありえるかもしれない……。

カズの奇跡の裏にはきっと小笠原がいた

 昭和41年生まれのわたしは、古橋広之進さんの現役時代を知らない。それでも、“フジヤマのトビウオ”と呼ばれ、世界新記録を連発した彼の泳ぎが、敗戦にうちひしがれる日本に大きな勇気をもたらしたことは知っている。  たぶん、長居での試合はそういう類いの試合だった。何年か後、平成23年3月11日の大地震に端を発した大災害からの、再起への一歩として記憶されることになる、あるいは復興へ向けて国民が頭をあげたきっかけだったと印象づけられることになる試合だった。歴史的な、試合だった。

第6回 アスリートとしての意識改革

 私が障害者スポーツと出合ってから、選手はもちろん、指導者や競技団体関係者、大会やイベント運営に携わる方々と、実にさまざまな方たちと触れ合ってきました。その中で私はいろいろなことを見聞きし、学び、そして感じてきました。なかでも「障害者スポーツをもっと多くの人に知ってもらいたい、観てもらいたい、楽しんでもらいたい」という思いは、障害者スポーツに関われば関わるほど、大きく膨らんでいます。では、そのためにはどうすればいいのでしょうか。そこで今回は競技としての障害者スポーツの視点で私見を述べます。

第54回 新しい日本がみえたチャリティーマッチ

 まずは今回の大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りします。そして被災された方々の1日も早い復興を願っています。  地震発生時、私は支配人を務める鹿島ハイツスポーツプラザにいました。春休み前の平日でしたが、施設には合宿に来ている選手たちや、日帰りで入浴に来た一般の方々が多数いらっしゃいました。経験したことのない大きな揺れの中、第一に行ったのは施設内のお客様を安全な場所に避難させること。幸い、従業員も含めて全員の無事を確認できました。

第74回 プロ野球に課された責務とは?

 11日、東日本でマグニチュード9,0の大地震が起きました。犠牲者の数は1995年の阪神・淡路大震災を超え、被害の大きさは戦後最大と言われています。さらに福島の第一原子力発電所が地震と津波の影響で機能が停止し、現在は大量の放射能漏れを防ぐための懸命な作業が行なわれています。その影響は首都圏にも大きく影響しており、電力供給のために東京電力による計画停電の実施、鉄道会社や企業、一般家庭においても節電が行なわれています。原発の冷却機能の復旧作業が着々と進められていますが、予断を許さない状況であることは間違いありません。

totoのキャリーオーバーを復興資金に

 フランスの作家ロマン・ギャリは著書「ヨーロッパ風教育」にこう書いた。 「人は昔から、絶望から逃れるための避難所を必要としてきた。その避難所は、時に歌であり、詩であり、音楽であり、本である」  この本が出版されたのは、第二次大戦が終わったばかりの1945年だった。時代は違うし国も文化も違う。それでも、戦時中レジスタンスとして活動し、戦後は外交官としても活躍したギャリの言葉は、半世紀以上たった現在の日本にもぴったりと当てはまる。現代の後知恵を付け加えるなら、もう一つ、スポーツという“避難所”もあるということか。

第192回 NFL、ついにロックアウトに突入

 長く米スポーツ界最強のビジネスモデルと呼ばれてきたNFLが、3月中旬からロックアウトに突入してファンを落胆させてしまっている。  新労使協定を巡るオーナー陣と選手会の話し合いは一向に進まず、3月4日の期限までに妥協案を見出すことはできずじまい。その後、デッドラインを引き延ばして交渉を続けたが、結局は決裂。3月12日にオーナー側は選手たちの練習施設などへの立ち入りを禁止するロックアウトの開始を発表した。

世界も信じる「絶対に」甦る日本

 世界が祈ってくれている。日本のために、祈ってくれている。  メジャーリーガーが、テニス・プレーヤーが、そしてフットボーラ―が、世界のあらゆる場所で日本への祈りを捧げ、支援を訴えてくれている。かつて、かくも多くの人が日本のために祈ってくれたことが、あっただろうか。祈りは無力? そんなことはなかった。自分たちのことを気に留めてくれている人たちがこんなにもいる。そう思えることが、どれほど心強いことなのか。

第114回「スポーツはなにをすべきか?」

 3月11日に起きた東日本大地震における被害の大きさは計り知れない。この原稿を書いている被災4日目の14日においても被害状況がめまぐるしく変わっているありさまだ。大地震や大津波は以前から恐れられていたが、我々の技術や研究の積み重ねで克服したつもりになっていたのかもしれない……。あらためて自然の力の恐ろしさを知らされる。

第42回 ルマンの同郷人・松井大輔<Vol.6>

 2006年5月15日、フランスリーグ終了後、松井は日本に帰国した。ちょうどこの日、日本サッカー協会で、ドイツW杯の登録メンバーが発表されることになっていた。  4年に一度のワールドカップはサッカー選手ならば誰でも出たいと思う大舞台である。松井は、自分が当落線上の選手であることを自覚していた。  優勝したアジアカップ、出場権を得たW杯予選には貢献していない。しかし、欧州のトップリーグで結果を残している数少ない選手であるという自負もあった。

別次元の速さ 名古屋・永井が変えた結末

 サッカーは、結果が内容を蝕むことがある競技である。どれほどいいサッカーをしていても、不運な、あるいは事故としかいいようのない敗戦が続くと、徐々に内容もおかしくなってきてしまう。特に、選手と監督の信頼関係が固まっていないシーズン序盤戦は、毎試合が運命の分かれ道のようなものでもある。

第191回 2011年メッツ、3つのポイント

 過去2年、どん底の不振に悩んだメッツが、再出発のシーズンを迎えている。  このオフの間にサンディ・アルダーソンが新GMに、テリー・コリンズが新監督に就任。厳格さには定評ある2人を「保安官役」として抜擢し、チーム内に溜まった膿みを出そうという狙いだったのだろう。

投げろユーセイ! 打てドウバヤシ!

 まだ3月になったばかりのウイークデーのナイトゲームだというのに、観衆なんと3万4722人! 3月2日に行なわれた東京ドームの埼玉西武−巨人オープン戦である。  観る側の期待値がいかに高かったかの証左だが、その関心の大半は、西武先発のルーキー大石達也にではなく、巨人先発ルーキーの沢村拓一に向けられたものだったのではないだろうか。「巨人に怪物が入ったらしい」という高揚感が、まだ潜在的には巨人ファンとして、世に沈潜しておられた東京近辺の多くの人々の、ヒーロー待望論的興味を一気に掘り起こしたといおうか。

名古屋は“巨人的な存在”になれるか

 19回目のJリーグ開幕が近づいてきている。93年の5月、10チームによる総当り4回戦方式でスタートしたリーグは、規模を大幅に拡張させ、いまや1部、2部ともにホーム&アウェー方式で運営されるリーグに成長した。課題、問題点は数多にあるにせよ、世界的に見ても稀有なスピードで成長してきたリーグであることは間違いない。

第133回 衝撃のTKO負け……ヒョードルが輝きを失った理由

 エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)の敗北は衝撃的だった。  2月12日(現地時間)、米国ニュージャージー州のアイゾッド・センターで開かれたStrike Force「ヘビー級GPトーナメント」1回戦、アントニオ・シウバ(ブラジル)と対戦したヒョードルは、かつての輝きをすでに失っていた。

第169回「EFC26」 〜2011愛媛FCキックオフ・フェスタ〜

 1月23日(日)、新シーズンの到来を告げる「2011愛媛FCキックオフ・フェスタ」が開催された。この日の昼、「愛媛ゴール裏net」に所属するサポーターズクラブの有志が集い、同イベントの会場となるエミフルMASAKI(伊予郡松前町)周辺の清掃活動を行った。  これは以前、当コラムでもお伝えした愛媛ゴール裏net主催による「2010年度愛媛県下ボランティア行脚」の活動の一環である。愛媛FCサポーターが愛媛FCホームゲームにおけるマッチシティの御礼行脚として、県下の各地域を巡ってボランティア活動を展開している。今回が数えて第18回目の活動となった。

第5回 “知る”ことから世界は広がる! 〜国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会〜

<試合を見ていて、私は「障害がある人」と言うことを忘れて、カナダの選手に「走れ! 走れ!」と叫んでいた。本当なら「こげ!」なのに。>  これは「国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」の会場に訪れた中学1年生の女の子の感想文です。また、試合の合間に行なわれた体験会に参加した中学1年生の男の子はこんなことを書いています。 <車椅子バスケの体験をする前は、操作などが難しそうで、おもしろくなさそうだったけど、体験すると気持ちを熱くするものがありました。> こうした子どもたちの真っ直ぐで素直な感想文を読み、私はこの大会の意義について改めて考えさせられました。

第53回 成熟と継承が王者への道標

 いよいよ今週末、2011シーズンのJリーグが開幕します。今月のキャンプを経て各クラブは第1節に照準をあわせてきていることでしょう。昨季、豊富な戦力で初優勝を果たした名古屋グランパスが今年も頂点に立つのか。それとも捲土重来を狙う鹿島アントラーズが王座を奪還するのか。もちろん、他クラブの巻き返しやJ1へ復帰を果たした3クラブの戦いぶりも見逃せません。1月のアジアカップで日本中が盛り上がった興奮を、ぜひJのスタジアムで再現してもらいたいですね。

長友、岡崎が劇的に変える日本の育成法

 海外でプレーするのはおしなべて特別な、いや伝説的な選手だったという印象がわたしにはある。日本においては非の打ちどころのない存在であり、その生きざまも鮮烈。過去を知る人に聞けば、例外なく「あのヒトはすごかった」という答えが返ってくる。それがカズであり中田英寿だった。

第73回 進化し続けるダルビッシュ

 今月1日にスタートしたプロ野球のキャンプも大詰めを迎え、各球団ではトレーニングから紅白戦や練習試合など実戦へと移っています。私もいくつかの球団のキャンプ地を取材しましたが、どこも活気に満ち溢れ、徐々に開幕が近付いてきていることが感じられました。なかでもやはり一番人気は北海道日本ハム。これまでも何度か訪れていますが、球場までの道のりで渋滞などほとんど記憶にありませんでした。ところが、今年は高速道路を下りる前から渋滞し、球場へ行くのにも一苦労でした……。 “佑ちゃん人気”は本当にすごかったです。

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