足踏み感否めないJのフロント陣

 桜の開花宣言が東日本に届くより早く、Jリーグでは2人の監督が更迭された。開幕からまだ1カ月も経っていないことを考えると、異例の早さだと言っていい。  発足当時のJリーグは、欧米に比べると監督に対するプレッシャーの少ないリーグだった。マスコミが公然と批判をすることはほとんどなく、ファンの中にも“監督批判=タブー”的な空気があった。親会社から出向してきただけのフロントには、監督の善し悪しを判断する基準もなかった。シーズンを全うする監督の割合は、間違いなく欧米よりも高かったように思う。

第86回 昨季Bクラスのオリックス、阪神、広島が上位進出!

 いよいよプロ野球開幕まで1週間となりました。北海道日本ハム・斎藤佑樹、千葉ロッテ・成瀬善久、中日・吉見一起、巨人・内海哲也、横浜DeNA・高崎健太郎と、開幕投手の顔ぶれも徐々に明らかになってきています。ダルビッシュ有(レンジャーズ)や青木宣親(ブルワーズ)、和田毅(オリオールズ)などの活躍が期待されるメジャーリーグも気になるところですが、セ・パともに混戦が予想される日本のプロ野球からも目が離せそうにありません。

第216回 チャーリー太田、ニューヨークを魅了できるか

 元日本スーパーウェルター級王者で、現在もOPBF東洋太平洋同級王者を保持するチャーリー太田(八王子中屋)のアメリカ凱旋試合が間近に迫っている。  今週末の3月17日。チャーリーは生まれ故郷であるニューヨークのマディソンスクウェア・ガーデンでキャリア初の試合を行なう。

今の戦い方では「なでしこ」にはなれない

 まずはロンドンへの出場権を獲得した選手、スタッフに祝福の言葉を贈ろう。シリアは本当に強かった。バーレーンには危険なカウンターがあり、マレーシアもここ最近では最も魅力的なアタッカーを揃えていた。今回の予選は、勝ち抜くことによって世界で戦う自信を獲得することができるレベルにあった。おそらく、選手たちの顔つきは、予選が始まる前とは確実にどこかが違ってきているはずである。

第126回「福士加代子の挑戦は続く」

 2月末、私は「東京マラソンEXPO」でのトークショーを前に少々緊張していた。マラソンや自転車界では多くの方とこのような舞台に立ってきたのだから、それほど緊張することはないのだが、今回はちょっと勝手が違ったのだ。この日のお相手は福士加代子選手。彼女にとっては、失速して9位に終わった1月の大阪国際女子マラソン以来、初めての公の場なのだ。どのくらいのトーンで、どの程度の話までしていいのか……。しかし、控室に入ってきた彼女は予想以上に明るい声で「あっ、なんでもOKっすよ。だって隠すことないもん!」とあっけらかん。いつもの福士選手が戻っているのに拍子抜けした。

第54回 広山が望むもの<Vol.3>

 リッチモンド・キッカーズのテストには、前年度のチームに所属していた選手たちも参加していた。中には、ブラジル人、カメルーン人、ドイツ人もいた。育ってきた文化、背景の違った選手たちの中でサッカーをすることに広山は懐かしく、愉しみを感じた。  もちろん、日本のクラブでもブラジル人選手とプレーした経験はあった。しかし、自分が外国人選手としてプレーをするのは、また異なった感覚である。これまでの経歴、プレースタイルを知らない外国人選手たちに、自分のプレーを認めさせなければならない。そうした、緊張感を味わったのは久し振りのことだった。

昇格と消滅危機…今季、J2が面白い

 今週末に開幕するJ1はもちろんだが、今年はJ2が空前の盛り上がりを見せることになるはずだ。  ご存知の方も多いだろうが、今年から原則、J1は土曜日、J2は日曜日に開催されることになった。これにより、日曜日のニュース、月曜日の新聞で、従来とは比較にならないほどのボリュームでJ2が取り上げられることになる。間違いなく、日本のスポーツ界の中ではNo.1の、世界でも屈指の「メジャーな2部リーグ」となるかもしれない。

第181回「アニメ」  〜サッカーに対する子供達の興味〜

 年明けの1月21日(土)、前々回のコラムでも、ご案内させていただいた「愛媛FCサポーターズミーティング2012」が、松山市総合コミュニティセンター(企画展示ホール1階)にて行われた。  冷たい雨が降りしきる悪天候にも関わらず、会場には100名を越える沢山の愛媛FCサポーター(愛媛FCを愛する人々)とマスコミ関係者の方々が駆け付けてくれた(ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました)。

第215回 2012年ヤンキース、4つのポイント

 ヤンキースが2009年以来の王座奪回に向けて準備を進めている。  オフに黒田博樹、マイケル・ピネダを獲得し、課題だった先発投手陣の補強に成功。ホルヘ・ポサダこそ引退したものの、打線も依然として力強さを保っている。過去2年はワールドシリーズ進出を逃したが、今季のチーム力はペーパー上は近年最高。レンジャーズ、エンジェルス、タイガース、レイズらと並び、アメリカン・リーグの優勝候補の筆頭の1つに挙げられてしかるべきだろう。  それではヤンキースが開幕後も前評判通りに勝ち進むために、必要なものは何なのか。今回は今季のチームの注目点となりそうな4つのポイントをピックアップして見ていきたい。

ヒーローの美と原型

 今年のプロ野球界の最大の話題は、やはりテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が、どのくらい活躍するか、ということになるのだろう。  それにしても、連日のように放映されるキャンプの映像を見ていると、改めてきれいなフォームだと思う。  左足を上げた時の、軸足(右足)でまっすぐに、すっくと立った姿。右腕の軌道、そして、限りなく打者寄りで放すリリースポイント。理にかなっている、だけではない。端的に美しい。

“左寄り”日本の弱み

 決勝点の場面、3人でカウンターを開始したウズベキスタンに対し、日本は4人の選手を自陣に残していた。だが、ボールがペナルティエリアに進入しようかという段階で、ウズベキスタンは2人増えて5人になっていたが、日本は4人のままだった。数的不利を引っくり返すため エネルギーを振り絞ったウズベキスタンと、それを傍観してしまった日本。0−1というスコアは、妥当なものだといわざるをえない。

第145回 「競技」の確立と「ドキドキ感」の喪失 〜2.26『UFC JAPAN』を観た後に〜

「もうドキドキするようなことはないですね。オクタゴン(金網に囲まれた八角形のリング)を生で観たらドキドキできるのかと思いましたけど、やっぱり無理でした。あの頃のアルティメット大会は特別だったんですね」  2月26日、『UFC JAPAN』のメインエベントが終わり、さいたまスーパーアリーナから外へ出ると、一緒に観戦していた友人が、まだ明るい空を見上げながら、そう言った。私も同じことを考えていた。

第65回 リーグを制する開幕ダッシュ

 いよいよ今週末からJリーグが開幕します。新監督を迎えてスタイルを変えるチーム、補強によって戦力アップを図ったチームなど、それぞれが開幕に向けて準備を進めてきました。最終節まで優勝の行方がわからなかった昨季同様、今季もしびれるようなゲームが多く見られることを期待しています。

第17回 「障がい者スポーツ」という名称の光と影

 最近「障害者スポーツ」という呼称に違和感を持つようになりました。このコラムのタイトルを「障害者スポーツの現場から」とつけたものの、私の中でその違和感がどんどん膨らんできているのです。様々な場面で、パラリンピアンが自身の競技のことを「障害者スポーツ」と言っているのを聞いていても、彼らのトップアスリートぶりと、「障害者スポーツ」という言葉の間に違和感を抱くこともしばしばです。そこで、今回はこの「障害者スポーツ」という言葉について考えてみます。

第85回 キャンプで見た“和田タイガース”の現状

 今年も球春到来! 2月1日からプロ野球では一斉にキャンプがスタートしました。18日からはオープン戦も始まり、3月30日の開幕に向けて、徐々に実戦的な内容になってきていますね。私も沖縄・宜野座で行なわれている阪神のキャンプを視察してきました。和田豊新監督の下、チーム全体に明るさがあり、鳥谷敬や城島健司、金本知憲といった中堅やベテラン選手が元気で、若い選手も多いことから、活気に満ち溢れていました。大きなケガ人も出ることなく、順調なキャンプが送れているようです。

市場開拓本気なら、Jリーグはアジア人を獲れ

 ブルガリア・リーグのスラビア・ソフィアに、シンガポール・リーグでプレーしていた日本人選手、秋吉泰佑の入団が決まった。契約は2年半。G大阪やC大阪からのオファーを断った上での入団だったという。ブルガリア・リーグでプレーする初めての日本人選手となる秋吉には、ぜひとも頑張ってもらいたいと思う。

第214回 メイウェザー、パッキャオはそれぞれの道へ

 現役2大ボクサーによる最強決戦はやはり行われない運命なのだろうか。  元恋人に暴行した罪で1月6日から収監される予定だったフロイド・メイウェザーだったが、その収監日当日に刑執行の延期が決定。5月5日に予定される次戦の挙行が可能になった時点では、誰もが熱望するマニー・パッキャオとの一戦が実現に向かうかと思われた。

バルサに忍び寄る盛者必衰の影

 どれほど偉大なタレントを揃え、優秀なコーチングスタッフに支えられたチームであっても、避けて通ることのできない道がある。  不調という名の茨道である。  好調時と同じように練習し、コンディションを保っていても、なぜか結果が、内容が伴わなくなってしまう。表面上は何一つ変わったところはないのに、試合になると違ったチームになってしまう。なぜそうなるのか。そのメカニズムを解明した者はいない。

第125回「ビーチでシクロクロス!?」

「シクロクロス」。この名前を聞いてもすぐにイメージできる人は僅かだろう。ツールドフランスに代表されるサイクルロードレース、山の中など不整地を走り回るマウンテンバイク(MTB)。この2つを掛け合わせたサイクルスポーツがシクロクロスということになる。ロードのスピード感とMTBの技術や走破性が必要なスポーツで、国内でも30年以上の歴史を誇る。しかし競技人口は極端に少なく数千人。ロードの100万人超、MTBの数十万人という単位からみるとかなり少ない。まだまだ国内では相当なマイナー競技なのだ。そのシクロクロスが、なんと東京有数の観光地であるお台場のビーチにやって来た!

第53回 広山が望むもの<Vol.2>

 ポルトガルのスポルティング・ブラガ、フランスのモンペリエHSC――両クラブでは出場機会が得られず、不完全燃焼だった。日本への帰国は、広山にとっては本意でなかったかもしれないが、2004年シーズン終了後、広山は東京ヴェルディへと移籍。05年シーズンはセレッソ大阪にレンタル移籍した。

GK権田、痛恨のシリア戦を良薬に

「この敗北を、ゆえにわたしは感謝する」と書いた五輪予選シリア戦のコラムについて、あちこちで「意外だった」と声をかけられた。どうやら、猛烈に激怒している原稿を期待されてしまっていたらしい。  確かに、日本の試合内容は相当にお粗末だった。専門誌風に採点をつけるとしたら、ほとんどの選手が最低か、それに準ずる点数になってしまっていたことだろう。合格点どころか、及第点をつけられる選手さえいなかった。「なんてナイーブな選手ばかりなんだろう」というのが、シリア戦から受けた率直な感想である。これがA代表の試合であれば、怒りを通り越して失笑してしまっていたかもしれない。

惜別

 人は誰でも永久保存しておきたい記憶を一つや二つは持っているものだ。野球観戦において、そういう試合のコレクションが一つ増えた。  2011年10月29日。パ・リーグのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第1戦。埼玉西武−北海道日本ハム戦。ダルビッシュ有の日本最終登板となった試合である。

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